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那覇空港の待ち時間を劇的改善:トヨタレンタリース沖縄が「かんばん方式」でレンタカー業務を革新

(出典:トヨタイムズ

沖縄の観光シーズンが本格化する中、那覇空港周辺のレンタカー利用者が直面していた長時間の待ち時間が、トヨタレンタリース沖縄の取り組みにより劇的に改善された。2018年当時、那覇空港店では最大2時間半の待ち時間が発生し、顧客満足度の低下やスタッフの疲弊が問題となっていた。しかし、2022年3月に新設された那覇空港シーサイド店の導入と、トヨタ販売物流方式(TSL)に基づく「かんばん方式」の採用により、受付から貸し出しまでの時間が最大10分程度に短縮された。

(出典:トヨタイムズ)

この改善の背景には、トヨタ生産方式(TPS)を販売現場に応用したTSLの存在がある。TSLは、30年ほど前に豊田章男氏が業務改善支援室を立ち上げた際に導入されたもので、製造現場でのムダを徹底的に排除する手法を販売現場にも適用し、効率化を図るものである。トヨタレンタリース沖縄では、TSL推進部と連携し、現状の業務フローを可視化した。その結果、スタッフの勘や経験に頼っていた車両準備のタイミングや、ムリ・ムダ・ムラの多い作業工程が浮き彫りとなった。

(出典:トヨタイムズ)

具体的な改善策として、車種を示す「W2」などが書かれたバインダーを「かんばん」として活用。受付カウンターには、クルマのキーと契約書がセットされたかんばんが並び、利用者が来店すると該当するかんばんからキーと契約書を渡す。スタッフの手元には空のかんばんが残り、これが次のクルマを補充する指示となる。このかんばんを「入庫依頼」の箱に入れると、バックヤードのスタッフが順番通りに車両を補充し、スムーズな配車が実現された。

(出典:トヨタイムズ)

また、セルフチェックイン機「RaCCU(ラクー)」の導入も大きな効果をもたらした。免許証のスキャンや保険加入、クレジット決済などが約3分で完了し、すぐ横のカウンターでクルマのキーを受け取ることができる。これにより、ピーク時でも30分で70組の来店客を対応可能となり、待ち時間の大幅な短縮が実現された。

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さらに、スタッフの作業効率も向上。駐車場のクルマを貸出率の高い順に配置するなどの工夫により、1台あたりの配車時間が7分から4分に短縮された。このような改善活動により、那覇空港近辺での貸出台数は1.2倍に増加し、顧客満足度と従業員満足度の双方が向上した。

トヨタレンタリース沖縄の取り組みは、製造業で培ったノウハウをサービス業に応用することで、業務の効率化と顧客満足度の向上を同時に実現した好例である。今後も、インバウンド客の増加や多言語対応の強化など、さらなる改善が期待される。

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