スポーツ観戦と観光を一体化させる新しい形の地域振興、それが「アウェイツーリズム」である。今日、地方都市の活性化は重要な課題となっているが、その対策の一つとして注目されているのが、アウェイゲーム観戦を絡めた地方の観光促進だ。静岡県の藤枝市もまた、実践的な取り組みを始めた。
藤枝市は、JリーグJ2の藤枝MYFCのアウェイゲーム観戦をきっかけに、藤枝市の観光を楽しむセットプランの提供を開始した。このプランでは、レンタカーと宿泊施設がセットで提供される。特典として、車両基本料が20％割引となり、試合会場の駐車場が用意され、さらに藤枝市の宿泊助成金を最大で3000円まで利用できる。
加えて、このプランには、地域の魅力を存分に味わえる特典が盛りだくさんだ。観戦チケットを提示すれば、地元の名店「たいらぎ」で提供される蛇口みかんジュースが無料、玉露の里「茶の華亭」でのお食事が5％オフになる。さらには、藤の花入浴剤がプレゼントされる。
第一回目のターゲットイベントは、5月21日の藤枝MYFC対徳島ヴォルティスの試合だ。この取り組みはその後のホームゲームでも継続される予定で、その度にアウェイゲーム観戦と地域観光を組み合わせた活動を推進していく。
藤枝市は今後、タクシー利用プランの開発や、多様なニーズに応える魅力的な観光プランの提供を目指していく。これらの取り組みは、地域の飲食業や土産物屋などの地元企業を巻き込む形で進められており、アウェイゲームの観戦をきっかけに現地での旅や観光を楽しむサポーターを増やすことを狙っている。
この地域振興の取り組みは、スポーツと観光が一体となった新たな地域振興モデルとして、他地域にも示唆を与える。アウェイゲームの観戦は単にスポーツを楽しむだけでなく、その地域の文化や風土を体感し、地元産業の活性化につなげる絶好の機会となるだろう。
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