株式会社アースカーが運営するカーシェアリングサービス「EARTHCAR」は、新潟県十日町市と協力し、観光二次交通の拡充を目指して社会実験を実施する。今回の実験は、鉄道で訪れる観光客の移動手段を確保するために行われるものであり、無人で24時間稼働するカーシェアリングサービスの提供を行う。8月30日から約2ヶ月間、まつだい駅前の道の駅「まつだいふるさと会館」の駐車場にカーシェアリング車両2台を設置し、観光客は車両を利用して広範なエリアを巡ることが可能となる。
十日町市や津南町エリアには、年間5万人以上の観光客が訪れる施設やイベントが数多く存在している。中でも「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、世界最大規模の国際芸術祭であり、観光客数は増加傾向にある。多くの作品が広範囲に点在し、自動車を必要とすることから、鉄道を利用する来訪者にとっては移動手段の不足が課題であった。今回のカーシェアリングの導入は、この課題を解決するための取り組みであり、持続可能な観光推進とオーバーツーリズムの未然防止を目的としている。
カーシェアリングサービスは、無人で24時間利用が可能であり、専用の車載デバイスを用いることで簡単に車両の解錠・施錠ができる仕組みとなっている。これにより、観光客は鉄道の発着時間に合わせて柔軟に車を利用できるようになり、観光の自由度が大幅に向上することが期待される。従来のレンタカーサービスと比較しても利便性が高く、観光客は滞在期間中、各地に点在する芸術作品を思う存分鑑賞することが可能となる。
実証実験の期間は2024年8月30日から11月10日までを予定しており、車種はダイハツのムーヴとタントが使用される。利用料金は時間帯によって異なり、入会費や年会費は無料とされている。今回の取り組みは、地方自治体と民間企業が協力して地域の活性化を図る官民連携の一環であり、観光地におけるカーシェアリングの有用性を実証するものである。
アースカーはこれまでも各地でカーシェアリングサービスの導入を支援してきたが、今後も短期間での試行導入が可能なシステムを提供し、観光地における交通手段の多様化を推進する方針である。これにより、地域の観光二次交通網の充実と持続可能な観光の実現を目指す。