近年、自動車市場は「所有」から「サブスク・リース」への大きな転換期を迎えている。株式会社ジョイカルジャパンは「カーリースに関する2023年の総括と2024年の展望レポート」を発表した。このレポートでは、現代の家計への負担や自動車所有の傾向が詳細に分析されている。
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2023年は物価の上昇により、多くの家庭で生活費が前年から月平均で2万円以上増加した。しかし、賃金の上昇は物価上昇に追いついておらず、実質賃金は19カ月連続でマイナスを記録している。結果として、家計の見直しが迫られ、車の維持費は特に大きな負担となっている。車検代、税金、任意保険料などが主な負担であり、これらを抑えたいというニーズが高まっている。
若者の間では、車にかけられる月額支出が減少しているものの、車への関心は依然として高い。一方で、自動車価格の高騰が問題となっている。コロナ禍やウクライナ問題による半導体不足が影響し、車両価格は過去最高レベルに達している。このような状況の中、一括購入ではなく、残価設定型クレジットやリースへのシフトが加速している。
出典:株式会社ジョイカルジャパン
以上から、家計管理を安定させるためにも、カーローンよりもカーリースが有効であるいえる。カーリースは、車検代や保険料が定額となるため、想定外の出費を抑えることが可能である。実際に、カーリースの利用者は近年急増しており、特に移動手段として車を日常的に使う地域での利用が目立っている。
2024年の物価高騰の見通しについては、2023年と比べて数値的には大きな上昇は予想されていない。しかし、家計の見直しの傾向は続くと考えられる。自動車の所有に関する価値観も変化しており、サブスクリプションやリースへの関心が高まっている。このような状況下で、車の「所有」から「利用」へのパラダイムシフトがさらに進むことが予想される。