カーシェアサービス「エニカ」を運営する株式会社DeNA SOMPO Mobilityは、「自動車販売に関するディーラー動向調査2024」の結果を発表した。この調査は、自動車ディーラー業界における集客の現状と課題、カーシェアサービスへの期待を把握することを目的としており、2024年2月22日から3月6日までの期間、インターネットを通じて自動車販売に関わるディーラー・メーカー90名から意見を集めた。
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調査結果によると、自動車ディーラーの9割が集客に関して危機感を持っていることが判明した。特に全ての経営者・役員が「とても感じている」と回答し、店舗担当者の間でも高い割合で危機感が報告されている。集客の課題としては、「チラシ・DM・イベントなどの効果の低迷」と「若者のクルマ離れによる自然来客の減少」が半数以上のディーラーから指摘されている。特に後者は、店舗担当者の63.2%が感じており、若年層のクルマ離れが深刻な問題となっている。
また、ディーラーの53%がカーシェアサービスに対して期待を寄せている。カーシェアを通じての新しい顧客体験の提供や、試乗車の有効活用、中長期的な購入検討層へのアプローチなどが期待されている。この中で、「エニカ ディーラーカーシェア」のサービスは、ディーラーが所有する試乗車をカーシェアに提供し、新たな集客活動の機会を創出することが可能である。このサービスの加盟店舗数は、2024年3月時点で累計170社、390店舗に達し、過去2年で約4倍の増加を見せている。
自動車販売業界における集客活動の課題は深刻であり、時代の変化に合わせた新しいアプローチが求められている。カーシェアサービスへの期待が示すように、テクノロジーの活用がその解決策の一つとなり得る。特に若年層へのアプローチという点では、カーシェアを介した試乗体験の提供が、従来の集客方法からの転換と新しい顧客層へのアプローチの両方において効果的であると期待される。株式会社DeNA SOMPO Mobilityは、今後も自動車ディーラーと連携しながら、自動車業界の可能性を広げるための取り組みを進めていく方針である。