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レンタカーで石油王国を電動化:サウジアラビアがEV普及への道を切り拓く


(出典:ARAB NEWS Japan)

サウジアラビアの運輸部門は、国内での電気自動車(EV)普及を目指し、4月10日に3つの協定を締結した。サウジ公共交通局(PTA)が主催し、目的はクリーンエネルギーの増加、二酸化炭素排出量の削減、環境保護の促進である。協定は、自動車会社がレンタカー会社にEVを提供することを合意するもので、従来型車両からEVへの切り替えを促進することを目指している。

協定の一つは、ナギ・モーターズ社とアル・モフタ・カーレンタル社間で、1年以内にアル・モフタ社に100台のEVを供給することを合意したものである。二つ目の協定は、アルマジドゥーイー・モーターズ社とバジェット・レンタカー社が電気自動車の供給を合意し、三つ目は、アルマジドゥーイー社がイエロ・レンタカー社にEVを供給することを合意した。

PTAは、レンタカー部門の発展を支援し、サービスの品質と効率の向上を図る環境に優しい車両への依存を目指している。協定は、サウジアラビアの「国家運輸・物流戦略」の目標である、従来型車両総数の45%までゼロカーボン輸送車両の割合を引き上げることにも貢献する。

この取り組みは、サウジアラビアの都市の生活の質を向上させるため、PTAがクリーンエネルギーに依存した効率的で質の高い輸送手段や様式を採用する方針に一致している。公共交通機関にEVを導入するPTAの取り組みは、この分野全体の発展に大きな役割を果たすものである。

昨年2月には、PTAがジェッダの公共交通サービスでサウジアラビア初の電動バスの運行を開始した。今年も、国内全土の中規模都市の公共交通サービスで、より多くのEVを導入することを目指している。このような取り組みは、サウジアラビアが環境に配慮した持続可能な未来を構築する上で重要な役割を果たしている。

今後も、PTAは国内の公共交通サービスでEVの導入を拡大し、低炭素社会の実現に向けた努力を続ける予定である。これらの取り組みは、エネルギー効率の向上、公共交通の品質と利便性の強化、そして地球環境への負荷軽減につながることが期待されている。

サウジアラビアがEV普及に向けて大きな一歩を踏み出した今回の協定締結は、世界中の国々にとっても示唆に富む事例である。石油産出国であるサウジアラビアが、環境保護と持続可能性に力を入れていることは、世界的なエネルギー転換の重要性を改めて認識させるものだろう。