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ガソリンスタンド変革:三菱商事エネルギーとTeslaがEV展示・試乗サービスを提供

(出典:三菱商事エネルギー株式会社, イータウン白山セルフ北安田SS)

三菱商事エネルギー株式会社は、Tesla Motors Japan合同会社と協業し、電気自動車(EV)向けモビリティサービス拠点事業の拡大を目指して事業検証を開始する。この動きは、ガソリン車が主流であった時代のサービスステーション(SS)における新たな価値創出の一つとなりそうだ。

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今年2月、同社は関連会社である株式会社カーフロンティアと共に、保有するガソリンスタンド約5,000店のネットワークを活用したEVモビリティサービスの事業検証を始めた。第1弾は熊本県のSS跡地を使用したカフェでの検証であったが、今回、SS内での事業検証の第2弾を行うこととなった。

今回の事業検証は、特約店の株式会社金沢丸善とグループ会社の株式会社ワンダフル工房運営する、石川県と富山県のSSにて実施される。これらのエリアはTeslaスーパーチャージャーが設置されており、Tesla直営店の存在しない場所として選ばれた。テスラ製ミッドサイズセダン「Model 3」をSSに展示し、顧客に試乗の機会を提供する。試乗の予約は、同社が運営する「timy(タイミー)」というカーメンテナンス予約サービスを活用する。検証の成果を踏まえ、SSをEVの展示や試乗、充電、洗車・コーティングなどのサービス提供拠点として活用する計画である。

企画の背景には、EVの普及が進む中でSSの新たな価値提供が求められる現状がある。特に、地方部での車両保有率の高さや、ECチャネルへのシフトが進む中での体験スペースやアフターサポートの需要増大が予測されている。SSの利点として、車両の出入りの容易さや既存の顧客ネットワーク、さらには洗車やタイヤ交換などの待ち時間を活用したEV体験の場の提供が挙げられる。

事業検証の初回である熊本市での取り組みでは、EVへの関心が高いユーザーが多数来店し、EVの潜在需要が確認された。今後、SSでの事業検証は地方都市を中心に展開し、将来的には全国規模へと拡大する方針である。同社は今後、SSの地理的利点や高いサービス力を活かし、ガソリン車や軽油車だけでなくEVまで、あらゆるクルマが集まるサービス拠点の構築を目指していくとしている。