電気自動車(EV)の普及が進む中、そのネックとなっているのが充電設備である。電力供給網が未発達な地域では、EVを持つこと自体が困難である。さらにコンビニなど施設における充電設備の整備もまだまだ不十分である。このような状況を受けて、東京センチュリー、エレマテック、新電元工業、NECネッツエスアイの4社が手を組み、新たなサービスを提供することとなった。
この5月から提供開始する「Future Station」とは、EV用充電器の定額利用サービスである。これはカーボンニュートラルや持続可能な社会実現への一環として、充電インフラの拡充を通じてEVの普及を後押しするものである。8年間の契約期間で毎月定額のサービス料を支払うことで、初期費用なしでEV用充電器の使用が可能となる。サービス内容は、導入に必要な届出・申請、設置工事、使用期間中のメンテナンスや故障時の修理対応を含む。
4社は、2030年までにEV用充電器を1,500カ所に設置することを目指している。特に、基礎充電(自宅や会社の駐車場等で行う充電)や目的地充電(ホテル・ショッピングセンター・病院等の滞在先施設で行う充電)市場を中心に展開する。
各社の役割は、エレマテックが6,000社の販売網から顧客へのサービス提供、新電元工業が国内生産のEV用充電器の提供と保守管理、NECネッツエスアイが設置工事、そして東京センチュリーがファイナンスサービスと設備の保有・管理を担当する。
「Future Station」の提供により、定額制初期費用なしでEVの充電設備を設置できるのは設置を検討している企業にとって大きな利点となる。これにより、EVの普及が一段と進み、充電インフラの拡充が期待たされる。充電設備の不足がEVの普及を妨げている現状を鑑みれば、「Future Station」は重要な一歩と言えるだろう。