愛知県豊橋市に新規参入が決まった「TANAAKK EVGRID株式会社」は、電気自動車(EV)データプラットフォームの構築を目指す。同社は24時間営業のレンタカー事業「Uqey」を運営する一方、BtoB、BtoC向けレンタカーサービスや再生可能エネルギーを活用したカーボンニュートラルな電力グリッドの構築を計画中だという。
TANAAKK EVGRID社は持続可能な社会に向けて、既存自動車の資産としての有効活用、電気自動車の普及、電力供給源の多様化、電力需給予測、配車需給予測によるエネルギー利用の効率化、クリーンエネルギーによる工場・倉庫物流の運営、物流の一元管理化などの課題解決を目指す。
現在、バッテリー技術の発展により、電池価格の低廉化、バッテリーの革新による走行距離の延長、EV充電スタンドの普及による利便性の向上、太陽光発電パネル価格の低廉化など、産業転換が急速に進んでいる。TANAAKK株式会社は、大規模なデータ収集やAI、運転状況の画像やセンサーによる記録によって、開発のフィードバックが加速することで、自動車の製造や普及、燃料、メンテナンスにかかるコストが、10年後には製造から販売、使用までのシステム全体で10分の1程度になると考えている。たとえ、車体小売価格が10分の1にはならなくとも、コスト改善による内部留保が増産資金となり、車体の普及ユニット数は倍増、電気自動車産業エコシステム全体の分業は細分化され、データによるマネジメントが進み、労働従事者数も増加すると分析している。
新会社設立の背景には、自動車エコシステムへの参入と、Uqey事業の増収・増益および運営の最適化という目的がある。今後は、Uqeyのデジタルキー技術を活用した新型レンタカー事業の運営を通して、段階的な電気自動車の普及とデータプラットフォーム、都市型EVグリッドエコシステムの構築を推進する予定だ。そのため、同社は設立後速やかに自家用自動車有償貸渡業の許可を取得し、2023年初夏より個人利用者向けUqeyサービスも開始する。
これらの取り組みによりTANAAKK EVGRID社は、電気自動車の普及促進や、カーボンニュートラルな電力グリッドの構築に貢献し、持続可能な社会の実現に向けた重要な役割を担うことになるだろう。今後の同社の活動が、自動車業界やエネルギー業界におけるイノベーションや価値創造につながることが期待されている。