市場調査・マーケティングリサーチを行う株式会社インテージは、2024年2月15日から19日にかけて、15歳から79歳までの全国の男女2,500人を対象に「2024年お花見」に関する意識と行動について調査を行った。今年のお花見を「予定している」「するかもしれない」と回答した人は全体の34.5%にのぼり、前年比で3.2ポイントの増加を見せた。この結果は、コロナ禍を経ての社会の変化と春の訪れを楽しみにする人々の意欲の表れと考えられる。
しかし、お花見の予算に関しては、平均で6,872円と前年とほぼ変わらない状況であり、市場規模は2,307億円で前年比109.8%とわずかながらの増加に留まっている。ポストコロナの状況下でもお花見を楽しむ意欲は増しているものの、物価高や円安の影響を受けて、予算は大幅に増加していない実態が明らかになった。
物価の高騰や円安の影響については、「かなり影響する」「やや影響する」と答えた人が57.8%にも上り、国民の生活全般に対する経済的な負担の増加が示されており、お花見の予算にもその影響が及んでいることが窺える。
お花見の場所やスタイルに関しては、昼間の近場で楽しむことが最も人気で、その割合は73.1%に上る。これは、物価の高騰を意識してか、費用を抑えつつも春の風景を楽しむという傾向が強いことを示している。遠出や宿泊を伴うタイプのお花見は昨年よりも微減しており、物価高の影響や、より気軽に楽しめる近場でのお花見が選ばれていることがわかる。
職場でのお花見に関しては、「先輩・同僚・後輩などいろいろな人と楽しみたい」と考える人が7割弱を占める一方で、「気が乗らない」と回答した人も一定数存在する。これは、職場でのコミュニケーションを大切にしつつも、人それぞれの感じ方があることを示している。
この調査結果から、2024年のお花見市場は、予定者が増加しているものの、予算の増加は見られず、「安近短」、すなわち費用を抑え、近場で短時間で楽しむスタイルが主流になっていることが伺える。