JTBは2024年のゴールデンウィーク(4月25日~5月5日)における日本人の旅行動向に関する調査結果を発表した。この調査は、経済動向、消費者行動、運輸・観光データに基づくもので、1969年以降、年次で実施されている。今年の主なポイントとして、総旅行者数が2,332万人(対前年101.8%)、総旅行消費額が9,630億円(対前年111.2%)に達しており、前年比でわずかながら増加していることが挙げられる。
国内旅行では、旅行者数が2,280万人と前年からほぼ横ばいで、旅行消費額が8,231億円、平均費用が36,100円となり、物価の高騰が影響している模様だ。一方、海外旅行は、52万人と前年比167.7%増と大きく回復しており、行き先は特に近場のアジアが人気である。
2024年のGWは新型コロナウイルス感染症の分類変更後初めてのGWとなり、旅行意欲はコロナ禍前の水準に戻っていると見られる。旅行に行く予定の人は26.5%で、特に若年層にその傾向が強い。また、旅行に行かない理由としては、GWの混雑や高い旅行費用、家計の事情が挙げられている。
国内旅行のピークは5月3日の金曜日祝日と4月27日の土曜日で、旅行日数は主に1泊2日が最も多く、目的は家族との時間を過ごすことやリラックスすることが多い。また、旅行先としては関東や近畿、東海が人気で、多くの人が車や新幹線を利用している。宿泊施設ではホテルが最も利用されている。
海外旅行では、特に韓国や東南アジア、台湾への旅行が多く、旅行日数は3泊4日が最も一般的である。海外旅行の予約状況は前年比225%となり、アジア方面への短期旅行が人気を集めている。
最後に、日本の経済状況については、新型コロナの影響が薄れつつある一方で、物価高や国際情勢の不安定さが続いている。生活者の意識調査では、家計に余裕が出てきたとの回答が増えているが、物価高の中、旅行やレジャーへの支出に対する意識は依然として慎重な傾向にある。
このように、2024年のゴールデンウィークにおける旅行動向は、国内外の経済や社会情勢の変化を反映したものとなっており、今後の動向から目が離せない状況である。