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2025年GWの国内旅行動向:物価高と混雑回避で分散傾向に

(出典:JTB)

2025年のゴールデンウィーク(以下、GW)における旅行動向について、JTBは4月25日から5月7日までを対象とした見通しを公表した。本調査は、アンケート結果のほか、経済・業界動向、宿泊予約データなど情報をもとに推計されたものである。1969年から継続して実施されていおり、今年から調査対象期間を2日延長している。

JTBが発表した調査結果によると、総旅行者数は2,345万人と前年に比べ6.9%減少し、総旅行消費額も9,855億円で前年の96.1%にとどまった。特に国内旅行においては、旅行者数が2,290万人(前年比92.8%)と減少した一方で、平均費用は36,600円(前年比101.4%)とやや上昇し、物価高の影響が顕著に表れている。一方、海外旅行者数は国際線の回復や各種キャンペーンにより増加傾向にあり、平均費用は円安と物価高の影響で前年並みとなった。

(出典:JTB)

2025年のGWは、5月3日から6日までの4連休に加え、有給休暇を活用することで最大11連休となる可能性もあり、柔軟な休暇取得が旅行計画に影響を与えた。しかし、旅行意向を持つ人の割合は20.9%にとどまり、前年より5.6ポイント低下した。若年層ほど旅行意欲の減少が大きく、経済的負担や混雑回避がその背景にある。

旅行先の傾向としては、「昨年より遠方へ行きたい」とする回答が増加し、旅行日数も延びる傾向がみられた。また、旅行目的では「リラックスする」「家族と過ごす」といった定番の動機が多いものの、「趣味を楽しむ・極める」が前年より増加しており、多様な旅のスタイルが広がっている。

(出典:JTB)

国内旅行では「関東」「近畿」「九州」が依然として人気を集めており、能登半島地震の影響で敬遠されていた「北陸」も回復傾向にある。目的地の選定理由は「行きたい場所がある」「車で行ける」「帰省」が多く、混雑回避やアクセスの良さが重視されている。JTBによると、東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパン、ジブリパークなどのテーマパークも引き続き人気で、沖縄方面も堅調に推移している。旅行先は全国に広がり、ライフスタイルに合った多様な旅が求められている。

 

(出典:JTB)


また、海外の旅行先としては、韓国(25.7%)が最も人気を集め、次いで台湾(14.2%)、東南アジア(10.6%)、ハワイ(9.7%)、ヨーロッパ(9.7%)と続いた。比較的近距離かつ費用の抑えられる地域への志向が強い一方で、ハワイやヨーロッパといった中・長距離への需要も一定数存在しており、二極化傾向にある。物価高や円安の影響を受けながらも、自分に合った旅を選ぶ動きが広がっている。