顧客満足度(CS)やコンサルティングを行っているJ.D.パワージャパンが、直近でカーシェアを利用した3,285人の男女を対象にインターネット調査を行い、2023年度カーシェア市場におけるCSの調査結果を発表した。
J.D.パワージャパンが実施した2023年度のカーシェアリング市場全体の総合顧客満足度(※)は、調査が開始された2017年以来、初めて700ポイントを超え、新たな最高値を達成した。
※７項目を1,000ポイント満点で評価
料金、サービスメニュー、車両、予約（ウェブページ/モバイルアプリ）、およびコールセンターなどの調査項目に対し、すべての項目がこれまでで最高得点を獲得している。
利用料金の調査では、基本料金と利用料金を合わせて「5,000円以上」支払うグループが、初回調査時の約10％から今年は26％に増加し、カーシェアリング市場が着実に拡大していることが明らかになった。月額支払額も６年前に比べて増加している。利用者は「料金構造がわかりやすさ」と「利用料金の妥当性」を評価しており、分かりやすい料金プランと適切な価格設定の重要性がうかがえる。
カーシェアリング全体の顧客満足度は改善傾向にあるものの、将来の利用意向や他者への推薦意向などを示すロイヤルティは横ばいであった。これまでの調査から、ロイヤルティは全体的なCSがある程度の水準を超えた場合にのみ著しく増加するという。カーシェア市場のさらなる発展には、引き続きCSを向上させていく取り組みがカギとなりそうだ。
●「J.D.パワー」について
米国に本社を置く顧客満足度調査とコンサルティングに特化したグローバルなリサーチ企業。自動車、金融、保険、電気通信、医療などの様々な業界において、顧客満足度調査を実施し、その結果を企業にフィードバックすることで、顧客満足度の向上に貢献している。また、トレンドや市場動向に関する情報を提供することで、企業の意思決定をサポートする取り組みも行っている。J.D. パワーの調査は企業依頼ではなく自主調査に基づいているため、独立性と客観性が担保されており、日本国内での信頼も高い。