株式会社ファブリカコミュニケーションズが提供する中古車情報サイト「車選びドットコム」から、2024年9月の自動車登録台数の推移と中古車市場の動向に関する統計レポートが発表された。このレポートは、新車および中古車の登録台数に関するデータをもとに、市場の現状と今後の予測を詳述している。
2024年9月のデータによれば、新車登録台数は前月比133.6%となり、中古車登録台数は前月比109.8%と増加している。この増加は、8月の長期休暇による登録台数の減少が影響しており、9月に入り従来の登録水準に戻ったことが示されている。しかし、前年同月比で見ると、新車登録台数は100.3%とわずかに増加したのに対し、中古車登録台数は98.4%と減少している。
この背景には、輸送費の高騰がある。7月と8月のレポートで触れた輸送費の高騰は、パナマ運河の運行停止や紅海の治安悪化など、国際海運の乱れが原因である。これにより、船舶は遠回りの航路を取らざるを得ない状況が続いている。2025年秋にはこれらの問題が解消される見通しだが、その後も新造船のコスト増加による輸送費の高騰が継続すると予測されている。
中古車市場においては、国産車の中古車販売が活発であり、特に軽自動車が市場シェアの33.0%を占めて1位となっている。しかし、9月のデータでは、ミニバンやコンパクトカーなどの上位5位のボディタイプがシェアを落とす一方で、商業車や軽トラックなどがシェアを伸ばしている。
車種別では、トヨタのプリウスが1位に躍り出ており、その他にもセレナ（日産）、タントカスタム（ダイハツ）、N-BOXカスタム（ホンダ）などが上位にランクインしている。この動向は、中古車市場における各車種の需要と供給のバランスを反映している。
今後の中古車市場は、日本車への海外需要の高さと国内での新車生産台数の増加が影響を与えることが予想される。これらの要因により中古車の供給状況に変化が生じる可能性がある。特に輸出市場への影響を鑑みると、国内市場への中古車の流通は限られることが予想されるため、仕入れ戦略や販売戦略の見直しが必要となるだろう。