
(出典:株式会社ファブリカホールディングス)
株式会社ファブリカコミュニケーションズが公表した2026年2月版の中古車市場統計レポートによると、国内の新車・中古車市場には足元の持ち直しが見られる一方で、供給不足やオートオークション(AA)相場の高騰、輸出環境の変化といった課題が重なり、市場構造の転換が進んでいる。あわせて、中古車情報サイト「車選びドットコム」における販売動向からは、実需に支えられた人気車種やボディタイプの傾向も浮かび上がった。
(出典:株式会社ファブリカホールディングス)
2026年2月の新車登録台数は36万2,657台で前月比107.0%、中古車登録台数は48万8,460台で前月比113.0%となり、いずれも1月から増加した。一方で前年比では、新車が88.6%、中古車が93.9%にとどまり、前年水準には届いていない。レポートでは、新車市場の本格回復の遅れによって良質な下取り車が十分に市場へ流入せず、深刻なタマ不足が長引いていると分析している。
(出典:株式会社ファブリカホールディングス)
こうした需給逼迫を背景に、AA相場は一段と上昇している。2026年2月のUSS平均成約単価は138万円となり、前年同月比9.5%増で、統計開始以降2カ月連続の過去最高を更新した。背景には、2021年の新車販売減に起因する5年落ち車両の慢性的な不足に加え、年度末に向けた国内販売店の活発な仕入れ需要がある。登録車の不足感が強まる一方で、軽自動車は小売り回転の速さから市場を下支えする存在となっている。
さらに、中東情勢の緊迫化に伴い、日本最大級の中古車輸出拠点であるUAE向け輸送ルートの不安定化も懸念材料となっている。これにより、ランドクルーザーなど輸出主力車種で一時的な需給の緩みや在庫滞留が起こる可能性がある。国内でも人件費上昇を背景に陸送費やAA関連コストが膨らみ、販売店の粗利を圧迫している。レポートは、こうした環境変化が大手と中小店の収益力の差を広げ、AA仕入れ依存からの脱却と、業販市場を含む調達チャネルの多角化が重要になると指摘している。
(出典:株式会社ファブリカホールディングス)
一方、車選びドットコムの販売動向では、市場の実需を反映したランキングにも変化が見られた。ボディタイプ別では軽自動車が32.5%で首位を維持したが、前回から1.5ポイント低下した。2位はミニバン/ワンボックスの15.3%、3位はコンパクト/ハッチバックの13.1%である。注目されるのは軽バン/軽ワゴンで、8.4%と4位ながら0.7ポイント上昇しており、実用性重視の需要の強さがうかがえる。
(出典:株式会社ファブリカホールディングス)
車種別ランキングでは、プリウス(トヨタ)が前回2位から首位に浮上した。2位はN-BOXカスタム(ホンダ)、3位はセレナ(日産)、4位はN-BOX(ホンダ)、5位はハイゼットカーゴ(ダイハツ)である。また、前回圏外だったハスラー(スズキ)が8位まで急上昇しており、軽自動車・実用車需要の底堅さを示す動きとして注目される。中古車登録台数が2月に増加へ転じたなかで、こうした人気ランキングの変化は、今後の市場動向を占ううえでも重要な指標となりそうである。