Carstay株式会社は、2024年3月から日本で初めてのキャンピングカーの相乗りマッチングサービスの実証実験を行う。これは内閣官房の規制サンドボックス制度に基づく認定を受けたもので、運転に不慣れな旅行者とキャンピングカーの運転に習熟したドライバーをマッチングするサービスだ。このプロジェクトは、国内旅行の促進や地方経済の活性化を目指している。
2024年度からは、一般運転手による有償送迎サービス「ライドシェア」が一定の条件下で解禁される予定だ。しかし、特殊な大型車両であるキャンピングカーの運転に精通したドライバーと旅行者を結ぶプラットフォームはこれまで存在しなかった。Carstayは、車両の有償運送や旅客運送事業に対する国交大臣の登録または許可の必要性を回避し、実証実験を申請し認定を受けた。
Carstayは2019年1月に車中泊スポットのスペースシェア、2020年6月にキャンピングカー専門のカーシェア事業をスタートした。これにより、キャンピングカーでの旅行を楽しみたい人々と、車両をレンタル・共有したい所有者を結びつけている。今回の実証実験は、これまでのノウハウを活用し、自社サービスをさらに拡充するものである。
キャンピングカー旅行は、コロナ禍において需要が拡大し、その後も人気を集めている。これは、宿泊施設が不足している地域や、観光客が集中する地域にとって、新たな宿泊・移動手段となりうるためだ。また、災害時の防災インフラ整備拠点としての利用も期待されている。
実際に、Carstayの売上は前年度比で2~3倍に増加しており、広島県や長野県などの地方自治体との協力も行われている。これらの事業展開を通じて、キャンピングカーの利用と運転手の増加を目指している。
Carstay株式会社は、「バンライフ」をコンセプトにしたMaaSスタートアップであり、キャンピングカーのレンタル・カーシェアと車中泊スポットのスペースシェアリングサービス、車両の製造・リノベーション事業を展開している。現在、全国に約340の車中泊スポットと約490台のキャンピングカーシェア車両があり、2022年10月にはDIYスペースやキャンピングカーの製造・改造・修理を手掛ける「Mobi Lab.」事業も開始している。