(出典:YOUON JAPAN株式会社)
2025年4月に開幕した大阪・関西万博において、YOUON JAPANが開発した水素燃料電池アシスト自転車と水素生成・充填一体機が正式に導入され、会場運営スタッフの移動支援に活用されている。今回の取り組みは、水素を活用したモビリティの国内初の大規模実装であり、万博の理念である「いのち輝く未来社会のデザイン」にも合致するものとなっている。
開発された水素燃料電池アシスト自転車は、水から生成した水素と酸素の電気化学反応によって発電し、走行を補助する次世代型アシスト自転車である。200リットルの水素カートリッジで最大60kmの走行が可能で、時速24kmまで対応している。カートリッジは1MPa以下の低圧設計と固体水素による安全性が確保されており、工具不要で数秒以内の交換が可能という利便性も備えている。
併せて導入された水素生成・充填一体機は、最大250リットルの水素を1時間で現地生成できる能力を持ち、太陽光発電にも対応している。これにより電源の制約を受ける場所でも安定稼働が可能となり、現場でのクリーンエネルギー運用が現実のものとなっている。再生可能エネルギーと水素を組み合わせたこの仕組みは、脱炭素社会の実現に貢献するモデルケースとなる。
水素カートリッジは自転車のほか、小型発電機や水素ガス機器への応用も可能であり、エネルギー供給手段としての展開も見込まれる。今後は万博で得られる運用データをもとに技術を磨き、自治体や企業と連携しながら、持続可能なモビリティの社会実装を加速させていく構えだ。