岡山県新見市で、クラウド型AIによる新たな乗合タクシー運行がスタートした。株式会社REAと西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)は、REAの「Noruuu-Sharing」とJR西日本のMaaSアプリ「WESTER」を活用し、11月1日より「にいみ乗合タクシー」のサービスを開始した。これは地域の交通空白地帯解消と住民の利便性向上を目的とする取り組みである。
新見市は、2021年から電話予約制による乗合タクシーを運行してきたが、今回の新システム導入により、WEBとアプリ「WESTER」からの予約が可能となり、24時間365日の予約受付が実現した。これにより、利用者はいつでもタクシー予約ができるため、生活の移動が一層便利になる。哲多地域では今回初めて乗合タクシーが導入され、アクセス改善が期待されている。
この新システムでは、利用者が予約した情報をもとにAIが効率的なルートを自動で作成し、ドライバーへ配車指示を出す。リアルタイムでの配車管理が可能であるため、複数の乗客が一台の車を共有する形で運行される。また、運行事業者の電話受付業務が軽減されるとともに、配車の自動化により業務効率も向上する見込みである。
運行は月曜から金曜の8時半から16時まで。大人運賃は片道300円、子どもは150円と設定されており、障害者手帳や特定カードの所持者、未就学児は割引や無料の対象となる。支払いは車内で現金精算である。
予約は、乗車希望時刻の30分前までにアプリやWEB、電話での予約が必要である。WEB予約では専用サイトから手続きが可能で、「WESTER」アプリは不要だ。なお、悪天候や特定の事情で運行が中止される場合があるため、利用者は最新情報の確認が推奨される。
REAが提供する「Noruuu-Sharing」は、交通事業者にとっても重要なサポートとなる。同システムは、利用者の予約情報に応じて最適なルートをAIが判断し、効率的な乗合配車を実現する。この技術によって、地方のドライバー不足を補い、車両稼働率の向上が期待されている。また、地域住民の利便性を高めることから、地域活性化にも貢献すると見込まれる。