富山県高岡市の国宝、勝興寺とその周辺観光地の移動手段には課題があった。観光地が点在している伏木地区には、バスやタクシーはあるものの、統一された観光システムが欠けていたからだ。そこで地元イベント会社「SK企画」は、タイ発の三輪自動車「トゥクトゥク」の提供を開始した。
エコ観光の新潮流：電動トゥクトゥクで解消する日本の離島の交通問題
SK企画の島田博司社長（66）は、勝興寺が国宝に指定されることを見越し、昨年4月にJR伏木駅近くに居酒屋を開店。その後、同年12月に勝興寺の国宝指定が実現し、観光の受け皿として、トゥクトゥクのレンタカー事業を開始した。
トゥクトゥクはタイの三輪自動車で、小回りが効き、坂道も楽に登れるのが特徴だ。島田社長は、観光地へのアクセス改善のため、JR伏木駅から勝興寺、市万葉歴史館、雨晴海岸などの周辺観光地への移動手段としてトゥクトゥクを提案した。
導入されたトゥクトゥクは3台で、一台は7人乗り、残りの二台は4人乗りだ。風通しがよいので暑い日でも快適に移動できる。雨天時はシートを降ろし、雨風を防ぐことも可能だ。運転は普通免許があれば可能で、4月に行われた伏木観光まつりでの試運転では、約600人が利用した。
レンタル料金は4人乗りが1時間4400円、7人乗りが同5千円で、以後1時間ごとに1千円から千数百円上がる。主要な観光地を周る所要時間は、見学時間を含めても約3時間ほどとされる。島田社長は「観光地を快適に巡ってほしい」との思いを述べている。
運営時間は月曜日から土曜日の午前8時から午後6時までで、冬季は休業となる。観光客は、これらの時間内であれば自由にレンタルし、地元の観光地を周遊することが可能だ。
現地の観光地に魅力を感じてもらうためには、そこにたどり着くまでの体験も大切だ。伏木地区の観光地を効率よく周るためのツールとして、トゥクトゥクはその役割を果たし、観光客は快適な旅を楽しむことができるだろう。地元経済の活性化にも期待したい。
予約や問い合わせは電話番号090-3769-7070まで。