持続可能な社会を目指す中で、温室効果ガスであるCO2排出量は大きな課題だ。その排出源には、バイクも含まれる。東京都はこの問題を解決すべく、CO2を排出しない都市「ゼロエミッション東京」を目標に掲げ、二輪車の非ガソリン化を2035年までに100%達成するという野心的な目標を掲げている。その一環として、「ドコモ・バイクシェア」と共に、電気を動力源とする三輪のEVバイクシェアリングサービス「東京EVバイクシェア」を立ち上げた。
新たに提供されるのは、電動3輪バイク「GOGO!」である。このバイクは最高時速30kmまで加速可能で、公道をヘルメットなしで走行できる。料金は30分あたり330円、ポートは24時間営業だ。設置場所は、ヒルトン東京お台場、有明センタービル、東京ビッグサイトの3施設で、計20台のEVバイクが配置される。今後、順次増やす計画だ。
レンタルは、ドコモ・バイクシェアアプリで車両のQRコードを読み取ることで行える。バイクの操作は直感的で、5段階の速度調節機能を備えている。その一方で、ハンドルの操作感が軽いため、特にカーブなどでのスムーズな運転には注意が必要だ。
東京都知事の小池百合子氏は、「EVバイク普及のためには、まずはみなさまに魅力を体感していただくことが一番。心地よい風を感じながら、まちの魅力を味わってほしい」と語っている。
スマートでエコフレンドリーな移動手段を選ぶことが、今後の持続可能な社会を創造する鍵となる。EVバイクの普及は、個々の選択だけでなく、都市全体の移動パターンを変え、結果的には地球全体の環境に対する影響を軽減するだろう。
しかし、現時点ではEVバイクの購入はまだハードルが高いと言える。ドコモ・バイクシェア社長の武岡雅則氏は、「電動という新しい動力で、4輪の車だけでなくバイクも置き換えられるという、新しい可能性を持ったモビリティだ」と述べたうえで、「まだ個人での購入のハードルが高いEVバイクが普及するきっかけになれば」と、この新サービスの意義を語っている。これは、私たちがCO2を排出する自動車に依存する生活スタイルを見直し、より環境に優しい移動手段を選択するきっかけとなるだろう。
「東京EVバイクシェア」のスタートは、都市のモビリティが直面する環境問題に対する大胆な一歩である。これが始まりとなり、他の都市でも同様の取り組みが広がり、持続可能な未来に向けて大きく進展することを期待したい。