(出典:OpenStreet株式会社)
鳥取市において、観光地を巡る新たな移動手段としてシェアサイクルサービスが導入された。株式会社トリベイとOpenStreet株式会社が構成する「鳥取市観光シェアサイクルコンソーシアム」が鳥取市から委託を受け、2025年8月1日より「HELLO CYCLING」を活用した実証実験を開始したものである。実証期間は同年11月30日までの予定で、市内6カ所にサイクルポートを設置し、通常タイプとスポーツタイプの電動アシスト自転車計18台を運用する。
本事業の目的は、観光二次交通の充実とサイクルツーリズムの推進にある。特に鳥取砂丘の東西エリアと中心市街地を結び、鳥取城跡や市内の文化・歴史スポットを気軽に周遊できるようにすることで、観光客の滞在満足度を高めるとともに、持続可能な運営モデルを模索する試みである。
ポートは鳥取駅北口や民芸館通り横、鳥取城跡、鳥取砂丘周辺などに設置され、利便性の高い位置に配置されている。利用料金はシティサイクルで最初の30分150円(以降15分毎110円)、スポーツタイプで最初の30分200円(以降15分毎150円)とし、上限額を設けることで長時間利用にも対応している。
サービスは全国11,500カ所以上で展開されている「HELLO CYCLING」ネットワークの一環であり、鳥取市で借りた自転車を別のエリアで返却することも可能である。アプリを通じた検索・予約・決済機能により、利用者は気軽にサービスを開始できるほか、既に全国で465万人以上の会員基盤がある点も強みといえる。
鳥取市は本実証を通じて、観光需要の高まりに合わせた二次交通整備を図るとともに、渋滞緩和や環境負荷軽減など持続可能な観光都市づくりにもつなげたい考えだ。利用者アンケートや交通行動の変化に関するデータ収集も実施される予定であり、その成果は今後の本格導入に向けた検討材料となるだろう。