NPO法人バリアフリーネットワーク会議とNPO法人UDくまもと、WHILL株式会社は、2024年9月1日から熊本空港を皮切りに、免許不要で利用可能な近距離モビリティ「WHILL」の貸出サービスを全国の主要空港で開始すると発表した。
日本では高齢化が進行し、約4,000万人規模のユニバーサルツーリズム市場が形成されており、旅行消費額も一般平均を大きく上回るとされている。バリアフリーネットワーク会議が実施した福岡空港や博多駅での車椅子貸出の実証事業では、日常的には車椅子を使用しない人々からの一時的なレンタル需要が高く、利用者の満足度は97%、リピート意向は98%に達している。このことから、高齢者や体力に不安を抱える人々が安心して旅行を楽しむためのニーズが存在することが示されている。
提供されるWHILL Model Fは、コンパクトに折りたたむことが可能で、電動操作による利便性を備えているため、旅行先での移動をより快適にすることが期待されている。既に新千歳空港で常設されているサービスを基盤とし、今後はさらなる地域拡大が計画されている。これにより、観光地でのアクセシビリティ環境を向上させ、高齢者や障害者のみならず、長距離の歩行が困難なすべての人々に対して、自由で快適な移動手段を提供することを目指す。
サービスは9月1日に熊本空港で開始し、その後、10月1日に那覇空港と福岡空港、12月1日に新石垣空港で導入する予定である。料金は1日あたり熊本空港で3,000円、他の空港では4,000円とされている。詳細な情報は各空港の観光案内所にて提供される予定である。今後も3者は、主要な交通拠点と連携し、すべての人々が快適に移動できるインクルーシブな社会の実現を目指し、取り組みを進めていく方針である。