(出典:WHILL株式会社)
WHILL株式会社は、神奈川県相模原市のアドベンチャーリゾート「さがみ湖MORI MORI」において、免許不要で歩行領域を走行する近距離モビリティ「WHILL(ウィル)」を活用した移動サービスを2025年8月2日から開始すると発表した。夏休みの期間限定で、家族3世代など幅広い層が快適に園内を移動できる環境を整える取り組みである。
(出典:WHILL株式会社)
さがみ湖MORI MORIは、約45万坪の敷地に遊園地やキャンプエリアを備え、自然と触れ合える観光地として多くの家族連れやグループが訪れている。一方で、相模湖周辺の地形は起伏が多く、坂道の先にアトラクションがあるなど、高齢者や体力に不安を抱える来場者にとっては移動負担が課題となっていた。山頂エリアまではリフトも用意されているが、自分のペースで自然を楽しみながら移動できる選択肢として、ウィルの導入が決まった。
今回提供されるのはスクーター型の「WHILL Model R」である。ハンドル操作により自転車のような感覚で乗車できる一方、四輪構造により安定性を備える。最大10度の傾斜を一定速度で上り下りでき、段差や芝生、砂利道でも安心して走行可能だ。さらに5cmの段差を乗り越える力やその場で一回転できる小回り性能、リアサスペンションによる快適な乗り心地も特徴で、自然環境を背景とした広大な敷地での移動に適している。
利用料金は1日2,000円で、園内の売店で手続きが可能である。体重制限や操作に必要な注意力などの条件を満たすことで誰でも利用できる。WHILL社は、今回の取り組みを通じて施設利用者の体験価値を高めるとともに、インクルーシブな観光環境の実現を目指す姿勢を示した。
高齢化が加速し、訪日観光客数が過去最高を更新する中で、誰もが安心して移動できるアクセシビリティ環境の整備は急務となっている。保険やメンテナンスを含めたパッケージとして導入可能なWHILLのモビリティサービスは、設備投資を抑えつつ施設のニーズに応じて柔軟に展開できる点から、全国の観光地やテーマパークでの活用が広がっている。WHILL社は今後も多様なステークホルダーとの協働を通じて、あらゆる人が自由に移動できる社会の実現に貢献していく構えである。