新型コロナウイルスのパンデミックは、我々の生活の多くを変えた。しかし、新型コロナの感染症法上の位置付けは「5類」に移行され、日常が戻りつつある。そのなかで、これまで受けてきた逆風を追い風に変え、変化しようとしている企業がある。福岡市博多区に本社を置く新興のレンタカー会社「Door to Door Japan」だ。レンタカーと言えば「営業所で借りるもの」というイメージがあるが、そんな常識が変わりそうだ。
片道レンタカーの革新 :「カタレン for Narita」が描くレンタカー業界の未来
同社は24時間5000円のレンタカー基本料金を設け、さらに5000円を支払うことで、指定した場所でのレンタカーの借り出しと返却が可能なサービスを提供している。これは全国でも画期的な取り組みで、新型コロナウイルスの影響下で見られた「人との接触を減らしたい」という新たなニーズに対応したものだ。さらに、乗りたい場所から直接移動可能な点は現在でも好評だという。
また、同社では運転免許証の確認や支払いも現場で可能であり、特に移動が困難な高齢者や障害者、県外からの観光客にとって大いに利便性の高いシステムといえる。中国の決済サービス「銀聯」を用いた支払いも可能となっており、国外からの顧客に対する対応も万全である。
この新しい取り組みはすでに成果を上げている。サービス開始後のゴールデンウイークには予約が全て埋まり、レンタカーの台数はコロナ前を上回る結果となっている。その多くが県外からの観光客で、新たなニーズの発見に成功した証といえる。
さらに、「Door to Door Japan」の提供するサービスは、単にレンタカー業界の革新だけでなく、社会貢献にも繋がっている。介護の現場などでの送迎ニーズに対応できるとの声も寄せられ、社会の様々な場所から利用が期待されている。
この取り組みは、単にサービスの利便性を向上させるだけでなく、新たな市場ニーズの創出、地域社会への貢献、そして従来のビジネスモデルに囚われない柔軟な思考という観点から見ても、他の企業にとって見習うべき事例と言えるだろう。これからも「Door to Door Japan」のサービス展開から目が離せない。