出光興産株式会社(以下「同社」)は、株式会社エネクスライフサービスと協業し、無人貸出機能を採用したレンタカーサービス「カースタレンタカー by idemitsu」の全国展開を開始した。第一拠点として、沖縄県那覇市にある「apollostationセルフ一日橋SS」にて3月1日から利用が可能となる。
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「カースタレンタカー by idemitsu」では、有人貸出と無人貸出「楽のりスマート」の両方が提供され、フランチャイズ加盟店であるapollostationおよびモビリティサービス専門店apolloONEで利用することができる。特に、「楽のりスマート」においては、予約から車両の開錠までをスマートフォンで操作できるため、24時間365日、利用者の都合に合わせたレンタカー利用が可能である。
このサービスの背景には、循環型社会の実現や、国土交通省によるMaaS(Mobility as a Service)の普及・拡大、およびレンタカー不足を含む地域交通の課題解決がある。これらの社会的動向を踏まえて、同社と株式会社エネクスライフサービスは、レンタカーサービスに関する豊富なノウハウを活かし、迅速かつスムーズなサービス展開を実現するために協業している。
沖縄県をサービス開始地点として選んだ理由は、同地がコロナ禍や半導体不足の影響でレンタカーが不足している地域の一つであるためだ。この地域課題に対応する形で、「カースタレンタカー by idemitsu」のサービス展開を決定し、2024年度中には全国で50店舗のサービス展開を目指している。
初導入店舗である「apollostationセルフ一日橋SS」は、24時間365日の営業で、基本料金は軽自動車クラスで6時間2,000円、コンパクトカークラスで同2,500円、ミニバンクラスで同6,500円となっている。さらに、需給に応じて価格を変動させるダイナミックプライシング制を導入することで、閑散期はより利用しやすい金額で提供できる。
同店舗は那覇空港からタクシーで約30分の場所と少し離れた位置ではあるものの、レンタカーと比較しても手続きに時間がかからないこと、レンタカー利用者にはタクシー料金の一部をレンタカー料金から割引するサービスも提供していることから、利便性の高い仕組みとなっている。
同社の中期経営計画(2023~2025年度)において掲げられた「スマートよろずや構想」は、燃料給油だけでなく、地域の生活支援基地としてのapollostationの機能強化を目指している。この構想に基づく新しいレンタカーサービスの提供により、地域社会における移動手段の選択肢を広げ、利便性とアクセシビリティを向上させることが目指されている。