出典:一般社団法人日本カーシェアリング協会
一般社団法人日本カーシェアリング協会(以下、協会)は、「NPOカーリース」という新しいカーリースサービスを開始した。このサービスは、非営利団体やそのスタッフを対象に設計されており、中古車の寄付車両をリースする形で展開される。
【関連記事】めぶきリースとDeNA SOMPO Carlifeが連携、サブスク型マイカーリース『めぶきで乗ーる』提供開始
サービスの背景には、非営利団体が直面する車両調達の難易度と高額な運用費用の軽減がある。多くのNPOは地域社会で重要な役割を果たしているが、財源の制約などから車両の確保が困難であり、そのために活動の展開に支障をきたすことがある。このサービスを通じて、協会はNPOの車両課題を解決し、活動を支援することを目的としている。
NPOカーリースの前進となるサービスでは64のNPOに導入されており、フードバンクの運営や障がい者福祉に携わる団体などが活用している。これらの団体は、リースした車両を使って食材の運搬や利用者の送迎などを行っている。
サービスの対象者は、NPO法人、非営利型の一般社団法人や財団法人、公益社団法人、社会福祉法人、非営利活動を行う協同組合、市民活動団体、およびこれらの団体で働く有給職員などである。リース料金は車種によって異なり、例えば軽自動車は16,500円、中型車は25,300円などとなっており、これには車検代や自動車税などが含まれている。また、契約期間は1年で、更新も可能である。
貸出拠点は全国4か所に設置されており、宮城県石巻市、栃木県栃木市、静岡県富士市、佐賀県武雄市にある。提供される車両は全国から寄付されたもので、古い車両が多いものの、点検を行った上で安全に走行できる状態で貸し出される。
協会自体は、2011年4月に東日本大震災後の宮城県石巻市で設立された非営利団体だ。これまでに1,000台以上の車両の寄付を受け、これらを活用して被災地での無償貸出支援やコミュニティ・カーシェアリングの普及促進などを行ってきた。「NPOカーリース」は今後も、社会的使命を担うNPOの活動を支援し、地域社会への貢献を目指している。