スタートアップ企業であるPathfinder株式会社(東京都板橋区 代表取締役:小野崎悠介)は、片道レンタカー「カタレン」の函館-千歳路線「カタレン for 北海道」の実証実験を7/3から開始した。この取り組みは、MaaS(Mobility as a Service)社会を実現する上で不可欠な最適配置アルゴリズムの開発・運用を用いて実行される。
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本実証実験は、北海道特有の問題である、「新千歳空港周辺にレンタカーが偏る」状況の解消を目指す。広大な面積を有する北海道において、レンタカーの約30%が乗り捨て利用となっており、このためにレンタカー業者が車両を元の店舗に戻すためのコストが増大するという課題が存在していた。
特に夏の旅行需要増加に伴い、この問題は一層深刻化すると予想される。そこで、多く利用される函館-千歳間の片道利用レンタカーを対象に実証実験を開始した。具体的には、乗り捨て価格を撤廃し、潜在的な需要を促進。さらに、千歳から函館への料金を安く設定し、価格差による需要喚起を図る。これらの二つのアプローチを組み合わせることで、新千歳空港周辺への車両偏りを解消できるかを検証していく。
「カタレン」はPathfinder株式会社がリリースした、多数のレンタカー・カーシェア事業者と提携し、回送車両やレンタカーの上り片道利用ユーザーと下り片道利用ユーザーをマッチングさせるサービスである。片道利用できるレンタカーは、レンタカー事業者がコストをかけて回収する回送車両を利用者に提供することで、事業者は回送コストを削減し、収益に変えることが可能となる。
同社は今後、旭川、帯広、釧路などのエリアで新たな路線を開設し、北海道におけるレンタカー業者との協業を通じて提供車両とエリアを拡大することを目指す。これにより、より多くの旅行者に自由な移動体験を提供し、業界全体の発展に貢献することを目指している。