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コロナ禍でレンタカー市場はどう変わった? 近年の動向を探る

簡便な移動・輸送の手段として広く利用されているレンタカー。昨今では公共交通機関の代替手段として注目が集まっているが、果たしてコロナ以前・以後で業界はどう変化したのか。統計から考察していく。

■業界全体は成長傾向
日本レンタカー協会が発表した統計資料によると、2021年のレンタカー車両数は884,189台。格安レンタカーが進出し始めた2000年から約3倍、ここ10年でも1.8倍と、車両台数は大きく増加した。車種別にみると、乗用車が52.0%、トラックが40.8%、マイクロバスが0.7%、そのほかが6.5%で、主に移動用の一般車両と、運送用のトラックが利用されていることが分かる。

■コロナで車両数は減少
戦後まもなくより本格的に始動し、成長の一途をたどってきたレンタカー事業だが、2021年の車両台数は前年比96.0%と、ここ数十年で初の減少に転じた。新型コロナウイルスの感染拡大により、外出自粛で一般層向けのレンタカーの需要が低下したことが要因だと思われる。特に観光ツアーで用いられていたマイクロバスへの影響は大きく、前年比86.6%、5,919台の減少と、大きく落ち込む結果となった。また、訪日外国人のレンタカー利用が多かった沖縄では、渡航制限の余波を受けて倒産した業者もある。

■2021年末はレンタカー不足に
2年以上にわたって猛威を振るう新型コロナだが、昨年夏ごろからワクチン接種が推進されたことで、感染者数は一時的に大きく減少。各自治体が独自の宿泊割引を再開し、人気の観光地では満室となるホテルもあった。一方、長引くコロナ不況のあおりを受けてレンタカーの数は不足しており、沖縄など一部の地域では供給が追い付かない状態だったという。一時的に感染が落ち着いたとしても、またいつぶり返すのか読めないのがコロナの怖さだ。観光需要の回復を期待して増車に踏み切るのか、あるいは腹をくくって事業を縮小するのか、各社は難しい判断を迫られている。