(出典：WILLER株式会社)
伯方島モビリティコンソーシアムは、愛媛県今治市伯方島において、公共ライドシェアと貨客混載を組み合わせた実証事業『あちこち伯方島便』を、2025年11月17日より開始する。本事業は、令和7年度「交通空白」解消等リ・デザイン全面展開事業の一環として実施され、路線バス以外の公共交通が乏しい伯方島における「移動手段の確保」と「買い物困難者対策」を同時に解決することを目的とする。
(出典：WILLER株式会社)
伯方島では高齢化の進行と商店数の減少により、免許を持たない高齢者を中心に日常の移動や買い物が困難となる課題が顕在化している。そこで本事業では、地域住民がドライバーとして参画する自家用有償旅客運送の「のりあいサービス」と、同一ドライバーが島内店舗の商品を自宅まで届ける「はいたつサービス」を組み合わせ、共助型の新しい地域交通モデルを構築する。
のりあいサービスは、伯方島内150カ所以上の乗降ポイント間を自由に移動できる公共ライドシェアで、講習を受けた地域住民ドライバーが運行する。運行期間は2025年11月17日から2026年1月31日までで、事前予約時の運賃は大人400円、65歳以上や障がい者などは200円と、島民が日常的に使いやすい価格設定となっている。
一方のはいたつサービスは、島内7店舗の商品を電話1本で注文し、自宅まで配送する仕組みである。重い飲料や米、介護用品なども届けられるため、高齢者の買い物負担を大きく軽減する。送料は1回400円、65歳以上は200円と設定されている。
Community Mobility株式会社を代表団体に、今治市、ローソン、イオンモール今治新都市、今治．夢スポーツなどが連携し、交通データの分析を通じた持続可能な地域交通モデルの検証を進める。本事業は、交通と物流を融合させた「貨客混載」によって、人口減少地域における移動と生活インフラの再構築を目指す先進事例となりそうである。