(出典：株式会社NearMe)
移動課題の解決に取り組むソーシャルデザインカンパニーである株式会社NearMe（ニアミー）は、パーソルクロステクノロジー株式会社と共同で展開する、AIとLINEを活用した「配車サービス」において、1台に複数組が乗車する『シェア乗り』機能を新たに実装し、運用を開始した。本サービスは、LINEヤフー株式会社が推進する、LINEを通じた全国各地のMaaS普及を支援する共同プロジェクトの一環として開発されたものである。
本配車サービスは、ニアミーが提供するタクシー事業者向け配車システムをLINE公式アカウントと連携させる仕組みで、電話対応や手動入力といった従来の配車業務を大幅に効率化する点が特徴である。タクシー事業者は、相乗りやデマンド交通などを柔軟に提供でき、受付業務にかかる作業時間の短縮やDX推進につながる。
利用者にとっても利便性は高い。従来の配車アプリで必要とされていた会員登録は不要で、LINE公式アカウントを友だち追加するだけで配車予約が可能となる。乗車地や行き先、人数を入力し、「今から呼ぶ」または「日時指定」を選択するだけで予約が完了し、車両情報や到着予定時刻、目安料金が事前に通知される。
今回新たに追加された『シェア乗り』機能により、利用者は予約時に「貸切」か「シェア乗り」を選択できるようになった。複数組で1台を共有することで、利用者は貸切よりも割安な移動が可能となり、事業者側にとっても車両稼働率の向上が期待される。これは、ニアミーが強みとしてきた「ドアツードアでありながら貸切よりオトクな移動」をさらに進化させる取り組みといえる。
また、本サービスは初期費用と月額のシステム利用料のみで導入可能で、乗車ごとの従量課金が発生しない料金体系を採用している。自社アプリ開発と比較して導入コストを抑えられる点も、タクシー事業者にとって大きなメリットである。人手不足が深刻化するタクシー業界において、LINEを起点とした配車と『シェア乗り』の組み合わせは、持続可能な地域交通の実現に向けた有効な選択肢となりそうである。