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地域公共交通の課題解決へ、アルパインマーケティングとゼンリンが配車システム「NORAN」を宗像市で導入

(出典:アルパインマーケティング株式会社)

アルパインマーケティング株式会社株式会社ゼンリンは、公共ライドシェア事業を支援する配車アプリ・システム「NORAN(ノラン)」を共同開発し、2025年7月28日から提供を開始した。第一弾として、福岡県宗像市で運行中の「宗像版公共ライドシェア」実証事業に導入され、運用がスタートしている。

全国では、バスやタクシー運転手の不足や路線維持の困難さといった地域公共交通の課題が深刻化している。交通空白地域の増加や観光地での二次交通不足により、住民や旅行者の移動手段が限られる状況が広がっており、公共交通の新たな仕組みづくりが求められている。両社は、こうした課題解決を目的に協業し、オンデマンド配車予約と運行事業者への配車指示を可能とする「NORAN」を開発した。

(出典:アルパインマーケティング株式会社)

「NORAN」は、公共ライドシェアや乗合タクシー、通常のタクシーなど複数の交通モードに対応できる配車システムである。利用者は専用アプリを通じて出発地や目的地を入力し、配車可能な交通モードを選択する仕組みを備える。さらに、複数の利用者を効率的にマッチングできる経路探索機能を実装し、運行者の車載端末と連携して効率的な運行を実現する点が特長である。なお、この技術は宗像市と両社の三者共同で特許出願されている。

宗像市での実証事業では、まず公共ライドシェアを対象として運用を開始し、今後は対象モードを順次拡大していく予定だ。これにより、利用者の利便性を高めるとともに、タクシー事業者の業務効率化にも寄与することが期待される。

また、両社は「NORAN」の開発に加え、交通空白地域の実態把握と利用傾向の分析を行う「運行分析システム」の開発も進めている。将来的には両システムを一体的に提供し、全国の地域事業者に向けたトータルソリューションとして展開する構想を描いている。

「NORAN」は、地域公共交通における移動の効率化と利便性向上を両立させる新たなインフラであり、人口減少や高齢化が進む日本の地方都市における持続可能な交通モデルとして期待されている。

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