オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社は、長野県駒ヶ根市において、公共ライドシェアサービスの導入に向けた実証実験を2025年9月1日より開始した。本実証は昨年度に続く第2弾で、観光シーズンにおける交通空白の解消と地域全体の移動活性化を目的としている。
近年、地方都市では自治体財政の逼迫や運転手不足により、交通サービスの維持が難しくなりつつある。こうした中で、一般ドライバーを活用する「公共ライドシェア」は新たな地域交通の手段として注目を集めている。駒ヶ根市は、千畳敷カールをはじめとする中央アルプス観光の拠点であり、観光客と地域住民の双方が快適に移動できる交通インフラの整備が求められていた。
今回の実証実験では、昨年のビジネス利用者中心の対象から、地域住民や観光客へと利用範囲を拡大。赤穂タクシー有限会社および伊南乗用自動車有限会社との連携により、タクシー優先配車機能を組み込むなど、混雑期でもスムーズな移動を実現する運用体制を整えた。OSSはこの仕組みを通じて、公共交通と民間サービスが補完し合う新たな地域交通モデルの構築を目指す。
OSSが提供する公共ライドシェア「meemo(ミーモ)」は、地域の交通空白を解消するためのプラットフォームとして2019年に誕生した。導入調査から運用、改善までを一貫支援し、自治体や交通事業者が安心して新しい公共交通の形を導入できる環境を提供している。
OSSは今回の取り組みを通じ、地域住民の移動利便性向上と観光地としての魅力向上を両立させ、地方都市における持続可能なモビリティモデルの確立を目指していく。