ANAは、「ユニバーサルデザイン×MaaS」をテーマとしたサービス「Universal MaaS」の実証実験を行っている。
このサービスは、何らかの理由により移動にためらいのある人々が快適にストレスなく移動を楽しめることの実現を目的に考案された。各交通事業者、大学、自治体、アプリ・システム開発などさまざまな事業者と連携して社会実装を目指す。
実証実験の例としては、「ユニバーサルお出かけアプリ」の提供が挙げられる。これは、利用者の特性に応じたルートや施設案内、サービス内容が表示されるというアプリ。
また、事業者に対しては「ユニバーサルサポートアプリ」が用意される。これは、利用者のリアルタイムな位置情報や特性情報などを事業者側に提供するアプリで、これらの情報を基に品質向上、業務効率化を目指す。
このように、利用者の位置情報や特性情報、希望する介助内容などを事業者側に共有した上で、利用者が出発地から目的地まで移動する際に必要な運賃、運航・運行状況、ルート、スポット情報といった情報を提供することで、利用者のシームレスな移動実現を図る。
そのほか、社会実装事例としては、空港までの経路検索、交通手段が可能なサービス「ANA 空港アクセスナビ」における徒歩区間に「バリアフリー地図/ナビ」機能追加が挙げられる。この機能追加により、経路検索結果の屋外の徒歩区間において、地図、最短ルートのナビゲーション、バリアフリー情報が表示されるようになった。
また、現在は視覚に障がいのある人向けサービスとして、歩行ナビゲーションシステム「あしらせ」、スマートフォンから位置情報と映像を把握して遠隔にいるオペレーターが案内するサービス「アイコサポート」と連携して、自律的な徒歩移動を実現するための機能実装の実証実験も行われている。
ANAでは、このように利用者と事業者が、データ・モビリティ、バリアフリー設備を連携し、相互理解することで、誰にとっても便利で笑顔で移動できる社会の実現を目指す。