日本カーシェアリング協会では、宮城県石巻市で「コミュニティ・カーシェアリング」「モビリティ・レジリエンス」「ソーシャル・カーサポート」などの事業を実施している。
「コミュニティ・カーシェアリング」とは、全国から集まった寄付車を地域で共同利用するプロジェクト。東日本大震災で約6万台の車が被災したとされる石巻市において、被災者の生活の足を作るために始まった活動だ。
この事業のスローガンは、「支えあう地域づくり」。ただ単に移動手段をシェアするだけでなく、住民同士の繋がりを作るきっかけにもなっている。車の利用状況の確認や、ルール決め、旅行の計画などは、毎月住民が集まってお茶会を開きながら決めているという。
経費については、車の維持費、燃料代、駐車場代、役員手当等の経費を会員が利用頻度に応じて平等に分担する。ルールのもと積み立てを行い、年1回の精算が行われる。地域住民が支え合えるこの仕組みは、現在石巻市内を含む11地域のほか、県外にも波及している。
「ソーシャル・カーサポート」とは、寄付車をレンタカーとして貸し出す事業。ボランティアやNPO活動に携わったことがある人は料金が割引される「メンバーシップ制度」や、石巻の沿岸部の店舗で買い物をするとレンタカー代がキャッシュバックされる「地域おこし制度」、車がなくて困っている人のためのサポートプログラムなど、独自の制度が用意されていることが特徴。
「モビリティ・レジリエンス 」とは、寄付で集めた車を、被災者及び支援団体へ一定期間、無料で貸出す支援制度。直近では、2020年7月の熊本豪雨などに対して支援が行われた。
このような、さまざまな取り組みを行っている石巻市の日本カーシェアリング協会。2022年1月には、自動車会議所と株式会社日刊自動車新聞社による「クルマ・社会・パートナーシップ大賞」の部門賞である「自動車ユーザー連携賞」を受賞している。