4月7日。住友ゴム工業株式会社は、オリックス自動車のレンタカー事業にて、タイヤの空気圧や温度を遠隔で監視・管理するサービスの実証実験を開始したと発表した。本サービスには従来の機能に加え、スローパンクを検知するアルゴリズムが搭載されているという。
今回の実証実験には、「オリックスレンタカー新宿西口店」の貸出車両40台を利用。対象車両にはすべて、ダンロップのオールシーズン用タイヤ「ALL SEASON MAXX AS1」が装着される。期間中、オリックスレンタカー側には住友ゴムの開発したタイヤ用の「空気圧・温度管理サービス」が提供され、利用を通じてサービスの精度や改善点が検証される予定だ。このサービスは、「TPMS(タイヤ内空気圧管理システム) 」が取得したタイヤの温度や空気圧の変化データを、店舗駐車場に設置されたアンテナによって管理者の端末に自動で送信する仕組みとなっている。
住友ゴムではこれまでも他企業の車両リース事業やレンタカー事業で実証実験を行い、TPMSから取得した空気圧や温度変化の情報をクラウドに蓄積してきた。そのデータからタイヤの「スローパンク」を検知するアルゴリズムも開発されている。ゆっくりと空気が抜けていくスローパンクは、タイヤのトレッド面の小さな穴や、エアバルブの劣化、組み付け時やホイールの歪みなどにより発生する。通常のパンクと違い、点検中の目視や運転中の違和感では気付きにくい点が特徴だ。
今回の実証実験で提供される「空気圧・温度管理サービス」では、これまで蓄積されたスローパンク時のデータを元に、TPMSが異常を感知した場合、メールアラートで管理者に通知する機能を搭載した。スローパンク現象を自動でいち早く見つけることができるため、点検作業の効率化や手順の削減、さらに燃費改善といった具体的な効果が期待されている。