大阪ガス株式会社は、電気料金の削減、カーシェアリング、非常用電源(BCP)活用というマルチユースサービスの実現に向け、電気自動車(EV)による新サービス開発に向けた実証開始を始めた。
大阪ガスは、電気自動車による電気料金の削減、カーシェアリング、非常用電源活用という 3 つのサービスの実現を目指し、2 月 14 日より大阪ガスが所有する実験集合住宅「NEXT21」にて実証を開始した。電気自動車のカーシェアリングは、大阪ガスの子会社である大阪ガスオートサービス株式会社が行う。同社は本実証を通じて、カーシェアリングに関する新たな知見の蓄積を目指す。
2050 年のカーボンニュートラルの実現に向け、日本では家庭や産業など、各セクションでの CO2 の排出量を削減することが求められている。その中では、全体排出量の 20% 弱を占めるという 運輸部門の脱炭素化も求められる中、電源の脱炭素化に合わせた電気自動車の普及拡大が有効な手段と言われている。
近年、再生可能エネルギーの導入が進んだことで、電力の需給バランスを調整するため、ユーザーが保有する設備のコントロールや、蓄電池およびEVからの放電により節電を行う、デマンドレスポンスや、エネファームなど蓄電池などのリソースを束ねたバーチャルパワープラントによる調整力が求められており、電気自動車も蓄電池としての価値が期待されている。しかし現在、ガソリン車と比較すると初期費用が高額になる電気自動車は、コストが普及のハードルになることが想定されてきた。また、自家用車を持たない若者が増える中、カーシェアリングの需要は増加傾向にある。このような傾向を踏まえ、大阪ガスは今回の実証実験に至った。
これらのマルチユースサービスの開発により、電気自動車のモビリティ用途としての活用に加えて、蓄電池用途として活用することによる更なる価値創出を目指す。また、この実証で大阪ガスは、電気自動車を用いてエネマネを行いながら、NEXT21 の入居者向けにカーシェアリングを行うことで、その実績データを取得し、ビジネスモデルの評価も行う。