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パナソニックITSと室蘭市、タクシー活用のMaaS有償実証実験を開始

画像:いってきマース!(出典:パナソニックグループ公式サイト)

パナソニックITS株式会社(以下、パナソニックITS)は、北海道室蘭市との連携のもと、タクシーを活用したMobility as a Service(以下、MaaS)の有償実証実験を始動する。期間は、2023年10月16日から12月15日までの平日で、ショッピングモールMORUE中島などの提携店舗を中心に実施される。

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本実証実験は、経済産業省北海道経済産業局が進める「令和5年度北海道の地方都市におけるタクシー共通配車システムの有効性及び他産業との連携や新制度の導入による利用促進モデルの事業性調査・分析事業」の一環として行われる。現在、高齢者を中心とした車を所有していない地域住民の移動の利便性向上と、交通事業者の人材不足問題の解決を目指して、室蘭MaaSプロジェクト「いってきマース」が進行中である。このプロジェクトは、2020年から開始され、現在までの間、無償での実証実験が数回行われてきた。しかし、今回は正式サービス開始に向けた2段階実験の第1弾として、タクシーとの有償実証実験が行われる。

(出典:パナソニックグループ公式サイト)

今回は、室蘭市内のショッピングモールMORUE中島を中心に、飲食店をはじめとした提携店舗や実験参加者の自宅周辺で有償実証実験が予定されている。正式サービスインを視野に入れ、自立的で持続可能な収益モデルの検証を目指しており、運用状況に近い条件でタクシーの稼働率、実験参加者の満足度、そして連携する小売・飲食事業者の収益増加率の計測が行われる。加えて、一元的な車両管理と効率的な配車を実現するため、協力するタクシー事業者全てに共通の管制システムが導入される。また、小売店や飲食店の集客のため、買い物額に基づくタクシー運賃の割引クーポンの発行が考案されている。さらに、タクシーの稼働率が低い時間帯には、クーポンの割引率を増やす疑似的なダイナミックプライシングが取り入れられる。実験参加者は、自宅からの電話予約や提携店舗の予約用タブレットを使用してタクシーを予約することが可能だ。

今後は、サービスの実用化に向けて、2024年には実際のサービス内容に近似したタクシーの相乗り方式や道南バスとの連携を取り入れた第2弾の実証実験が予定されている。実用化時には、任意の地点での相乗りタクシー利用を実現するための、スマートフォンで動作する専用アプリケーションの開発および導入が行われる予定だ。

MaaSは、高齢者や自家用車を持たない人、さらには公共交通の不足する過疎地域の住民など、移動に制約がある人々のサポートとして期待されている。室蘭市とパナソニックITSの今後の取り組みは、そのような背景を持つ人々の期待に応えるものとなるだろう。今後のサービス展開にも注目だ。

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