紙チケットの代替として注目を集める電子チケット。レンタカー業界における活用事例や、導入にあたってのメリット・デメリットについてまとめた。
■電子チケットとは
電子チケットとは、紙チケットの代わりにスマートフォンを使用し、イベントなどの入場ができるサービス。デジタルチケット、オンラインチケット、eチケットとも呼ばれる。
利用の手順は以下の通りだ。まず、事前にオンライン上でチケットを購入しておく。その後、メールやLINE、専用アプリなどを通じてチケットが送られてくる。あとはイベント当日、入り口付近に設置された読み取り機に、チケットに記載されているQRコードやバーコードをかざすことで入場できる。
電子チケットには回数券や定期券、時間制チケットなどさまざまな種類があり、ユーザーは用途に合ったチケットを購入する。
■レンタカー業界における活用事例
タイムズモビリティ株式会社の運営するタイムズカーレンタルでは、レンタカーのWeb予約時に使用できる電子優待券を販売している。こちらは額面50円から購入可能で、1回の利用につき1枚までの適用となっている。
また日産レンタカーでも、福利厚生パッケージサービス「ベネフィット・ステーション」にて、料金決済時に利用できる電子チケットを取り扱っている。額面は3,000円分、5,000円分、10,000円分、15,000円分、20,000円分、25,000円分の5券種。購入後に予約センターにチケットを使う旨を電話をしておき、当日、チケットが表示されたスマホ画面をスタッフに提示をすることで適用ができる。
■電子チケット導入のメリット・デメリット
電子チケットを導入するメリットとして大きいのが、チケットの販売や発送、入場手続きの簡略化による業務の効率化だ。加えてペーパーレスによる用紙代や印刷代のコストカット、販売窓口の混雑回避も挙げられる。また、利用客にとってはチケットの紛失や忘れを回避できるという利点もある。
一方、デメリットとして、スマートフォンの故障やインターネット回線の混雑などにより、チケットが買えない・使えないというトラブルが発生する恐れがある。また、金額を指定して購入するという性質上、使い切りのものが多く、利用料金が変動しやすいサービスには活用が難しい面もある。
■まとめ
まだレンタカー業界では活用事例が多くない電子チケット。しかし上記に挙げたように、手続きをオンライン上で済ませることによる業務効率化への期待は大きい。金額が固定制である難点も、クーポン券として活用するのであれば解消できる。今後、レンタカーがさらに気軽に利用されるようになれば、電車の切符や定期券のように、レンタカーの利用回数券が電子チケットで購入されるようになるかもしれない。