環境問題への意識の高まりと共に注目を集めるEV(電気自動車)について、レンタカー事業者が導入する際のメリットと注意点について簡単に解説する。
●EV導入のメリット
EVは、ガソリン車に比べて二酸化炭素（CO2）の排出量が少なく、環境に優しいクルマとして注目されている。レンタカー事業者がEVを導入することで、環境に配慮したビジネスを展開することが可能だ。国もEVの普及を推奨しているため、EVに関する税制優遇措置として、自動車税の減免や補助金、充電設備の設置に対する税額控除などが定められている。
税制優遇措置だけでなく、燃料費やメンテナンスコストの削減など、EVには数々の経済的メリットがある。特に走行距離あたりの燃料費についてはガソリン車と比べ、EVが大幅に低い。また、EVはエンジンやミッションなどの部品が少ないため、メンテナンス費用が低く抑えられるといった利点もある。
●EV導入における注意点
一方、EVを運行するには充電インフラの整備が必要となる。また、EVの充電時間は比較的長いため、長距離移動の際には充電ポイントの情報を提供することが重要だ。さらに車両の充電量を確認するためのシステムの導入や、ドライバーへの操作方法の説明なども必要となる。また、事故や故障などの万が一の事態に備え、EVに特化した整備工場と契約しておくことで、車両のトラブルに迅速に対処できる体制を整えることも重要だ。
保険料もEVを導入する際の障壁の１つだ。EVは修理代が高額であり、また普及率の低さにより事故率が把握しにくいため、EVの導入時には保険料が高くなる可能性がある。そのため保険会社との交渉や、事故発生時の対応などを慎重に考慮する必要がある。近年ではEVに特化した保険商品も登場しているため、複数の商品を比較した上で、自社の条件に合ったものを採用すると良いだろう。
●まとめ
EVの導入には、経済的メリットや環境に対する貢献など多くのメリットがある。しかし、運行にあたって充電インフラの整備や保険料の高さなど、慎重に対応すべき事項も多い。レンタカー事業者がEV導入を検討する際には、これらのメリットと注意点を把握した上で、慎重に判断する必要がある。