埼玉県さいたま市では、シェア型モビリティの充実やライフサポート型MaaSの導入などによる「さいたま市スマートシティ推進事業」を実施している。
この事業では、大宮駅・さいたま新都心周辺地区を対象に、ICT・次世代モビリティ・複合サービスを掛け合わせて提供することや、これらのサービスで取得するビッグデータを活用することで、交通結節点とまちが一体となった「スマート・ターミナル・シティ」を目指す。
同事業の展開にあたっては、主に3つの技術・サービスが導入される。
1つ目は、シェア型マルチモビリティ・自動運転サービスの導入。具体的には、大宮駅およびさいたま新都心周辺の在勤者・在住者などの生活利便性を向上する多様なモビリティの導入、デポの最適配置の実証実験が行われる。また、同地区を回遊する自動運転車の実証実験提携も実施される。
2つ目は、ライフサポート型MaaS 「おおみやMaaS」の導入。「おおみやMaaS」とは、移動と買物情報などを検索・予約ができるライフサポート型MaaS。このサービスで取得したビッグデータはインフラ整備へ活用され、スマートプランニングに向けたPDCAの構築が図られる。
3つ目は、次世代の都市インフラ整備へのスマートプランニングの適用。具体的には、人流データや「おおみやMaaS」からのビッグデータの取得・分析により、コンパクト化した 「スマート駅前広場」の設置などを計画している。
このプロジェクトの具体的な計画としては、2022年度にはデータ連携の拡大やスマートインフラ・防災との連携などを実施、 2023年度には美園地区で行われている「美園スマートシティプロジェクト」との連携やサービス統合を実施、そして2024年度からの運用開始が予定されている。
また、この取り組みのKPIのひとつとして、シェアモビリティ利用回数が2018年11月〜2019年1月の約27,000回を、年間540,000回まで増やすことが挙げられている。