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進化するレンタカー業界:電気自動車の種類とその特性

電気自動車(EV)の普及は、地球温暖化対策として世界中で進行中だ。特に、レンタカー業界にとっては、これからのビジネス戦略を左右する重要な動きである。しかし、単に「EV」と言ってもその実態は様々で少々わかりにくい。また、EVは大きく「BEV」「HEV」「PHEV」「FCEV」の4種類に分けられるが、それぞれにメリット・デメリットが存在する。この記事では、それぞれのEVの特性を簡単に解説していく。

まず、「BEV」(Battery Electric Vehicle)は、電気のみを使って走行する車で、エンジンがなく、環境に優しいエコカーとして注目を集めている。航続可能距離は他のEVやガソリン車に比べて短いものの、維持費の安さがメリットである。2022年の新車販売台数でBEV・PHEVが占める割合は合わせて約2.5%にとどまっている。政府は温暖化対策として、この割合を2030年までに20~30%まで引き上げる目標をたてており、補助金制度や充電インフラ整備を推進している。

次に、「HEV」(Hybrid Electric Vehicle)は、エンジンと電気モータの2つの動力を持つ自動車で、エンジンが発電したエネルギーを利用する。HEVはエンジンとモータの利用方法によって「シリーズ」「スプリット」「パラレル」の3つの方式に分けられ、それぞれ異なる特性とメリットを持つ。

また、「PHEV」(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)は、エンジンとモータを搭載し、外部電源を利用できることが特徴である。大容量のバッテリーを搭載しているため電気走行の距離が長く、充電が切れてもエンジンによる走行が可能である。

最後に、「FCEV」(Fuel Cell Electric Vehicle)は、水素を燃料とする電気自動車である。排出されるのは水のみで二酸化炭素を出さないことが特徴である。ただし、車体価格が高額で、水素ステーションの整備が進んでいないという課題がある。

まとめると、BEVは経済性と環境性が強みであるが、航続距離の制限と充電時間がネックになり得る。HEVとPHEVは電気とガソリンの両方を利用できるため、短距離・長距離移動の両方に適応する。一方、FCEVは長距離移動に優れ、充填時間も短いが、高価であることと水素ステーションの不足が課題である。

最近のレンタカー業界では、持続可能な成長を目指すため、EVの導入が進んでいる。実際に、株式会社ISレンタリースではLEXUS初のBEV(バッテリー式電気自動車)専用モデル「LEXUS RZ first edition」を、トヨタレンタリース石川では、トヨタのFCV(燃料電池自動車)「MIRAI」をレンタカーとして導入している。しかし、一般ユーザーのEVに対する理解はまだ不十分である。そこで、レンタカー事業者が情報提供の窓口となり、ユーザーの理解を深めることで、新たなビジネスチャンスを創出することができる。