沖縄県のレンタカー需要が供給を大きく上回るという問題が深刻化している。過去2年間でレンタカーの数は30%以上も減少し、多くの観光客が訪れる沖縄で移動手段確保が難しくなっている。これに対し、新たな解決策を提案する企業が現れた。それが福岡県の株式会社LOMA(本社:福岡県中央区、代表取締役:中川 善智 以下、LOMA)である。同社は業界初となる無人・無店舗・24時間営業の新カーシェア型レンタカーサービス「LOMACA」を活かし、沖縄のレンタカー問題に挑んでいる。
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沖縄県では、コロナ禍以前に2万2,000台あったレンタカー台数が1万5,000台まで減少している。一方で、旅行客の60%がレンタカーで移動するというデータもあり、深刻なレンタカー不足を引き起こしている。これに対し県内のホテルでは、サービス向上のためにレンタカー事業を始めようとする動きがあるものの、レンタカー事業への知見がないことや、初期費用・ランニングコストがハードルとなり、参入が難しい状況だ。
その解決策として、LOMAは、2022年12月1日から沖縄県にあるホテル『那覇ウエスト・イン』と連携し、ホテル駐車場を活用した店舗を持たない無人・24時間レンタカーサービス「LOMACA」の実証実験を行っている。現在6台の車両が稼働。サービス開始から1ヶ月で車両の稼働率は70%に達し、ホテルの駐車場活用による新たなレンタカーサービスの有効性が確認された。
LOMACAでは、既に福岡市内で月極駐車場や駐車場保有のアパートオーナーと連携した無人・24時間営業・スタッフ0でのレンタカー事業を展開している。このサービスの最大の特徴は駐車場を活用し、無人かつ店舗を持たずに運営可能であることだ。これにより、24時間の稼働が可能となり、利用者の利便性を向上させることが可能となった。利用者からも、ホテルで借りてホテルで返すという新しいスタイルで高評価を得ている。
さらにLOMACAは、最新テクノロジーの活用にも力を入れている。SONYの「SONY ELTRES」を用いることで車両の現在地を把握し、効率的な管理を実現。また、東海理化の「スマートロック」を導入し、スマートフォンによる施錠・解錠が可能となり、店舗を必要とせずにレンタカーサービスを提供することができる。さらなる安全対策として、LOMACAは東京海上と連携し、「新たな保険の開発」にも注力している。これにより、利用者が安心してレンタカーサービスを利用できる環境作りにも一役買っている。
これらの取り組みは、レンタカー不足という沖縄県の問題解決だけでなく、地域全体のモビリティ問題解決に寄与するものと言える。今後、LOMACAはこの実証実験から得た知見を活かし、他のホテルとも連携してレンタカーサービスの展開を進めていく予定だ。これにより、レンタカー不足問題の解決とホテル事業者の新たな収入源の確保が期待される。
LOMACAは福岡県内で既に20店舗を展開し、無人運営、出発・返却場所の自由、24時間運営、整備・清掃の徹底などが特徴である。これらの取り組みを通じて、LOMACAはレンタカーサービスの新しい形を提案し、社会問題の解決と地域の利便性向上に貢献している。
【福岡県】乗り捨て可能なカーシェア「LOMACA(ロマカ)」 大牟田市で実証事業
最新テクノロジーと連携したレンタカーサービスにより、LOMACAは新たなモビリティサービスの提供を目指している。これまでにないユニークで便利なサービスを提供することで、地域社会への貢献を果たすとともに、新たなビジネスモデルの開拓を進めている。これからのLOMACAの活動に注目したい。