秋田市では、トラックドライバー不足や労働環境改善への対応策として、自動運転の実証実験を実施中だ。この試みは、1人のドライバーが2台のトラックを制御するというアプローチを取り入れており、効率性と安全性の向上が期待されている。実験は、2023年11月22日まで実施される。
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使用されたのは、障害物を検知するカメラやセンサー、そして位置情報を伝えるアンテナを備えた25トンのトラックである。実験は、自動運転トラックが人間のドライバーによって運転される先導トラックの後を追従する形で行われ、一定の車間距離を保ちながらの走行がテストされた。なお、安全のため自動運転トラックも有人で運行されている。
このプロジェクトは国土交通省が2021年度から取り組んでおり、本年度は特に車両の動作確認を目的に行われている。10月27日の実験では、自動運転レベル2の条件下で、ドライバーがハンドルから手を離した状態での走行が試され、安全性の検証が行われた。指定された場所での停止や公道への進入を含む5つのシナリオにおいて、安全な運行が可能かどうかが検討された。
実験は日本製紙秋田工場の倉庫から秋田市向浜のふ頭まで製品を運ぶルートを想定し、2.4kmのコースを2周した。自動運転トラックは、先導トラックが減速する際に、ドライバーが行うように一定の距離を保ちながら追随した。
国土交通省は、今後も厳しい気象条件下での実証実験を計画しており、特に強風や降雪のような状況下での運用をテストする予定である。この技術の実用化により、港湾でのトラックドライバー不足の解消と生産性の向上に寄与することが期待されている。この取り組みは、物流業界における労働環境の改善とともに、より効率的で安全な輸送システムの実現に向けた一歩となると期待されている。