
(出典:鳴門市役所)
鳴門市は徳島県レンタカー協会と連携し、高速鳴門バス停近隣にカーシェアサービスを導入している。本サービスは2025年7月に開始され、2026年3月からは車両を2台追加し、計9台体制へと拡充された。観光客の周遊促進と滞在時間の延長を目的とした取り組みである。
設置場所は高速鳴門バス停から徒歩約5分の駐車場であり、アクセスの良さが特徴である。利用はスマートフォンで完結し、予約から解錠、決済までを非対面で行うことができる。また、15分単位での短時間利用が可能であり、必要な時間だけ車を利用できる柔軟性を備えている。
こうしたカーシェアは、観光地における「ラストワンマイル」の移動手段として有効である。鳴門公園周辺の渦潮観光や、大麻町エリアの霊山寺・大谷焼の里など、複数の観光スポットを効率的に巡ることが可能となる。公共交通のみでは移動が制限されるエリアにおいて、カーシェアは重要な補完手段となっている。
一方で、長距離移動や複数人での観光においては、レンタカーの利便性も依然として高い。カーシェアは短時間・近距離の利用に適している一方、レンタカーは広域移動や荷物の多い旅行、複数日利用に適しており、両者を使い分けることでより快適な旅行が実現する。
また、地元住民にとっても本サービスは有用である。日常の買い物や送迎など、短時間だけ車を利用したい場合に、マイカーを所有せずとも移動手段を確保できるため、維持費の削減にもつながる。こうした観光と生活の双方に寄与する点も、カーシェアの大きな特徴である。
近年、地方都市においては多様なモビリティサービスの導入が進んでいる。鳴門市の取り組みは、カーシェアとレンタカーを組み合わせた柔軟な移動環境の整備として、今後の地域交通のモデルケースとなり得るものである。観光と日常をつなぐ移動手段として、その役割は今後さらに拡大していくと考えられる。