
(出典:株式会社NearMe)
札幌市は、スキーなどの本格的な雪体験と都市観光を両立させる「都市型スノーリゾート」としてのブランド確立を進めている。2030年度までに市内スキー場の来場者数を116万人へ拡大する目標を掲げる一方で、近年はバス事業者の人手不足などを背景に、スキー場を結ぶ路線バスの減便や廃止が相次いでいる。加えて、配車アプリが利用しづらいエリアや、夜間にタクシーの迎車が困難なケースも多く、スキー場アクセスは大きな課題となっていた。
こうした状況を受け、AIを活用したタクシーのシェアサービス「NearMe(ニアミー)」は、札幌市と連携し、市内スキー場へのアクセス改善を目的とした実証運行を2026年1月16日から開始する。複数の利用者が同一方向へ向かう際に1台のタクシーをシェアする仕組みを活用し、交通供給の効率化と利用者の利便性向上を図る。
実証運行は、札幌市内を運行エリアとし、札幌国際スキー場やサッポロテイネスキー場、さっぽろばんけいスキー場、札幌藻岩山スキー場、滝野スノーワールド、フッズスノーエリアの計6スキー場と連携する。予約はニアミーのアプリから行い、希望人数や出発時間を入力した上で仮予約を行う仕組みである。配車が成立した場合は、乗車場所や到着予定時刻などが事前に通知され、指定場所から乗車できる。
料金は、乗車地から降車地までの距離とシェア乗りの有無に応じて事前に確定され、通常のタクシーより割安となる設計だ。決済はクレジットカード決済のみ対応する。公共交通の代替ではなく補完として位置付けることで、冬季観光における二次交通の課題解消を目指す。
ニアミーはこれまで、空港送迎型シャトルをはじめ、観光やスポーツ観戦、高齢者の移動支援など多様な実証事業を展開してきた。今回の札幌市での取り組みは、雪国特有の交通制約に対応する新たなモデルとして、今後の都市型リゾート形成における重要な試金石となりそうである。