福島県の磐梯町役場は、カーシェアリングプラットフォーム「earthcar」を提供する株式会社アースカーと提携し、町内でカーシェアリングサービスを展開している。
「自分たちの子や孫たちが暮らし続けたい魅力あるまちづくり」をビジョンに掲げる磐梯町。役場にはデジタル変革戦略室が設置され、地域活性化や少子高齢化等の課題に対し、官民連携によるデジタル技術を活用した取り組みを積極的に推進している。カーシェアリングの展開は、この取り組みのうちの一つと言える。
磐梯町には、スキー場などの観光施設や企業の事業所が多く存在するが、レンタカーの店舗はない。そのような環境の中でカーシェアリングを設置することで、交流関係人口の創出や地域の活性化を図る。このような観光客の移動手段としてはもちろん、ビジネスで訪れる人や町民の移動手段としての活用も期待される。
今回の磐梯町におけるカーシェアリングでは、車両に車載デバイスを取り付けて通信で管理することで、24時間セルフで利用できるようにしている。また、スマートフォンアプリで車両の予約からドアロックの解錠から施錠までを完了することも可能。事故・トラブル時に24時間対応するコールセンターも完備されており、初めてカーシェアリングを使う人でも安心して利用できる。なお、入会金・月会費は無料。
2021年4月のカーシェアリング導入当初は、日産ノートが2台設置された。利便性を考慮した上で、設置場所となるステーションはJR磐越西線の磐梯町駅前となった。降雪地域のため、車両は四輪駆動仕様で冬季はスタッドレスタイヤが標準で装着されている。
時間料金は、1時間あたり2,200円となる。距離料金では最初の10kmを無料として、10kmあたり150円。
earthcarでは、今後、自治体向けのカーシェアリング導入プランとしてEVへの対応も進めているという。今後は地域における環境負荷低減や災害時の電源供給など持続可能な社会の実現に向けた取り組みをカーシェアリングを通じ推進し、磐梯町をはじめとした他の自治体においてもMaaS創出への幅広い支援を図る。