オリックス自動車は、福島県会津若松市において、乗り捨て方式のカーシェアリングサービスを提供している。
借りた場所とは異なる場所に返却する乗り捨て方式は、ワンウェイ方式とも呼ばれる。借受場所と同じ場所に返却するラウンドトリップ方式と比べ、利便性の高いサービスであり、レンタカーなどでは一般的なサービスであるものの、カーシェアリングサービスにおいてはあまり普及していない。
大手カーシェアリングサービスを見てみると、カレコ・カーシェアリングクラブは乗り捨て未対応、タイムズカーシェアは一部地域でオプションサービスとして乗り捨て可能だが、ベーシックタイプで1回あたり3,300円がかかる。一方で、オリックスカーシェアでは、乗り捨て料金を無料として提供する。
オリックス自動車は、実証実験として会津若松市にあるオフィスビル付近の「AiCTステーション」と「郡山駅東口ステーション」の2拠点に乗り捨て対応のステーションを設置し、同ビルの入居企業などに利用者を限定した実証実験を行ってきた。その結果、一定の利用ニーズの確認とワンウェイ方式の運営体制の構築ができたため、「会津大学南門前ステーション」「ローソン飯盛3丁目ステーション」「会津若松駅前大町通りステーション」へ範囲を拡大して一般向けにもサービスを展開している。今後もワンウェイ対応のステーションは拡大予定だという。
カーシェアリングの予約については、通常2週間前から可能。しかし乗り捨て対応ステーションの場合は、90分前から可能となる。
会津若松市は「スマートシティ会津若松」を掲げ、ICTや環境技術などを健康や福祉、教育、防災、そして交通、環境といった生活を取り巻く分野で活用している。カーシェアリングサービスの拡大・充実もその一環として、さらに便利で暮らしやすい街づくりの実現を後押しするだろう。