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株式会社J.D. パワー ジャパン(以下、J.D. パワー)は、「2024年カーシェアリングサービス顧客満足度調査℠」の結果を発表した。この調査は、カーシェアリングサービス利用者の利用状況や経験、満足度についてのデータを収集し分析するもので、今回で8回目の実施となる。
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調査の結果、カーシェア市場全体の総合満足度スコアは690ポイント(1,000ポイント満点)となり、前年比で12ポイント低下した。2017年の調査開始以来、総合満足度スコアは年々向上していたが、2024年の調査で初めて低下が確認された。特に、「各種料金」および「サービスメニュー」の評価が大きく下がったことが、総合満足度の低下に影響を与えた主な要因であるとされる。この背景には、利用料金の割引サービスの廃止や、ポイント倍率の変更など、一部カーシェア会社によるサービス内容の見直しがある。
出典:株式会社J.D. パワー ジャパン
一方で、ライドシェアに関する利用意向を調査したところ、カーシェア利用者の約半数がライドシェアを「積極的に利用したい」「機会があれば利用したい」と好意的に捉えていることが明らかになった。特に、海外でのライドシェア利用経験がある人々の間では、約70%が国内でのライドシェア利用に前向きであることが分かった。ライドシェアを利用したい場面としては、「旅行先での移動」が最も多く挙げられ、これはカーシェアの利用目的においても同様であった。これらの結果から、ライドシェアが旅行を中心とした様々なシーンで新たな移動手段として選択される可能性があることが示唆される。出典:株式会社J.D. パワー ジャパン
総合満足度ランキングでは、TOYOTA SHAREが763ポイントで3年連続の第1位を獲得した。オリックスカーシェアが700ポイントで第2位、タイムズカーが682ポイントで第3位となっている。TOYOTA SHAREは、「各種料金」、「サービスメニュー」、「車両」、「予約(ウェブページ/モバイルアプリ)」、「コールセンター」の全5ファクターで最高評価を受けた。出典:株式会社J.D. パワー ジャパン
J.D. パワーの調査結果は、カーシェアリングサービスの利用者満足度だけでなく、新たな移動サービスへの期待や利用意向をも浮き彫りにしている。今後、カーシェア事業者は、車両やステーションの拡充、貸出拠点の配置の効率化など、サービスの質的向上を図ることが求められるだろう。同時に、ライドシェアが法規制の変化に応じて、カーシェアの代替手段として利用されるシーンが増える可能性も考慮に入れる必要がある。