
(出典:株式会社ファブリカホールディングス)
株式会社ファブリカコミュニケーションズは、中古車査定サイトのデータをもとに、2026年3月以降の中古車買取相場に関する分析レポートを公表した。2月の買取相場は平均113.6万円と過去最高水準を記録しており、特に製造から3〜5年の国産車を中心に高値傾向が継続している点が特徴である。

(出典:株式会社ファブリカホールディングス)
背景には、コロナ禍における新車供給不足の影響がある。約5年前に生産された車両は流通量が限られており、中古市場において希少性が高まっている。また、円安の進行や新興国における需要拡大により、日本からの中古車輸出は過去最高水準に達しており、国内相場の上昇を支えてきた。
一方で、足元では不透明要因も浮上している。中東情勢の緊迫化に伴い、ホルムズ海峡の封鎖が中古車輸出に影響を及ぼす可能性が指摘されている。日本の中古車輸出において重要な拠点であるUAE向けの輸送が停滞することで、輸出予定車両が国内に滞留し、供給過多による価格下落圧力が生じる懸念がある。
短期的に収束する場合は一時的な下押しにとどまる見込みであるが、長期化した場合には国内在庫の増加により相場の下落が継続する可能性もある。特に中東で需要の高い大型SUVなどは影響を受けやすいとされる。
こうした相場環境の変化は、車の「所有」に対する考え方にも影響を与えつつある。購入価格や維持費の上昇リスクがある中で、必要なときだけ車を利用できるレンタカーやカーシェアの価値は相対的に高まっている。特に旅行や出張など利用シーンが限定される場合、初期費用や維持コストを抑えられる点は大きなメリットである。

(出典:株式会社ファブリカホールディングス)
また、ミニバンやSUVといった車種は中古市場でも人気が高く価格が上昇しやすいが、レンタカーであれば用途に応じて車種を選択できる柔軟性がある。家族旅行やグループ移動など荷物が多い場面では大型車を選び、日常の短距離移動ではコンパクトカーを利用するといった使い分けが可能である。
中古車市場の高騰と不確実性が続く中、所有から利用へとシフトする動きは今後さらに進むと考えられる。市場動向を踏まえつつ、レンタカーやカーシェアといった選択肢を組み合わせることが、合理的な移動手段の確保につながるであろう。