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中古車相場は高値維持、輸出増と国内二極化が進む2025年10月市場レポート

投稿日 : 2025.12.08

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(出典:株式会社ファブリカホールディングス)

2025年10月の中古車市場は、輸出増加と国内販売の二極化という相反する動きが同時進行する、読み解きの難しい局面を迎えている。中古車情報サイト「車選びドットコム」を運営するファブリカコミュニケーションズが公開した「中古車市場統計レポート(2025年10月)」からは、その実像が浮かび上がる。

(出典:株式会社ファブリカホールディングス)

新車登録台数は前年同月比98.2%、中古車登録台数は99.1%と、ともにわずかながら減少した。人気車種の受注停止や生産調整が続き、新車の供給不足が解消していないことが背景にある。その結果、下取り車やオートオークションへの出品台数も減り、1〜5年落ちを中心に中古車在庫はタイトな状態が続いている。9〜10月にかけて中古車登録は前月比104.0%と増加したものの、相場は依然として高値で張り付いたままである。

(出典:株式会社ファブリカホールディングス)

一方、海外向け輸出は好調である。2025年度上期の中古車輸出台数は前年同期比15.1%増の87万台と2年ぶりの増加に転じ、アフリカや中東など新興国向け需要が拡大している。円安も追い風となり、海外バイヤーの仕入れ意欲は高い。この輸出需要が国内オークション相場を押し上げ、高値水準を支える要因となっている。

国内販売に目を向けると、販売店ごとの明暗は分かれている。中古車販売店へのアンケートでは、利益状況が「良い・非常に良い」と答えた店舗が約36%である一方、「少し悪い・大変悪い」も約35%に上った。高値相場のなかで仕入れと価格設定を最適化できている店舗は粗利改善を実現しているが、顧客管理や在庫戦略が不十分な店舗では仕入れ難と販売鈍化が重なり、収益確保に苦戦している構図である。

(出典:株式会社ファブリカホールディングス)

車選びドットコムの販売データでは、10月の国産車ボディタイプ別販売ランキングは1位が軽自動車(29.5%)、2位がミニバン/ワンボックス、3位がコンパクト/ハッチバックであった。コンパクト/ハッチバックは前月比で2.7ポイントシェアを落とし、軽バン/軽ワゴンやセダンがじわりと伸びるなど、需要の細かなシフトも見て取れる。車種別ではプリウス、セレナ、N-BOX、N-BOXカスタム、エブリイが上位5車種を維持し、定番モデルの根強い人気が続いている。

相場の高値基調と輸出の追い風は、年末に向けても続く見通しである。中古車販売店には、店頭販売だけに頼らず、在庫回転や車種構成をデータに基づき見直す「攻めの経営」が求められる。車選びドットコムでは、加盟店向けに詳細な小売データレポートを提供し、市場変化の激しい環境下でも安定した経営判断を支援していく方針である。

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